「ハンコを押してくれないか」40代女性のもとに突然現れた「見知らぬ訪問者」、その要求が思いもよらなかった
父親の建物の価値は?
父親名義の建物については築年数15年くらいですが、間取りは一般的なファミリータイプのような需要のあるものではなく、父親の家と祖母と父親の妹の家の二世帯住宅だったようで、玄関が別々となっている1Kが父親が生活していた部屋だということでした。建物1棟は父親名義ながら、父親が使っていたのは全体の4分の1、残る4分の3は妹と祖母の家だったようです。 建物は40坪、建物の固定資産税評価は800万円あります。 土地は60坪、売る場合は、4,200万円から5,000万円くらいの間の販売価格になりますので、現在の建物を解体して更地にしたほうが売りやすいということのようです。 けれども、Kさんにとっては、父親が亡くなったことも初めて知ったことで、父親の相続や財産のことなど何も知らされていないどころか、財産となる建物も取り上げられるとなるとあまりに理不尽で、すんなりハンコを押していいか、迷うところでしょう。 Yさんが、Kさんの建物を買い取りなり、いくらか費用を払うようにしてもらえるなどないと、決断できないのは無理もありません。そこで、当社は業務提携先の弁護士とも相談。どのようにするのがいいか、検討しました。 記事後編は「40代女性が困惑…生き別れた父親が遺していた予想外の『財産』、その『不思議な顛末』」から。
曽根 恵子(相続実務士)