釜石・野田武則市長の会見(全文2・質疑応答)防潮堤と防波堤は必要
3.11のときの話を聞かせてほしい
通訳:ぜひ画面のほうを見てください。もちろん覚えていらっしゃると思いますが。 通訳:申し訳ないんですけれども、当時の話をぜひ聞かせてください。 野田:いままさに流されてる映像の一部は釜石市役所から撮影した部分もあると思いますが、その釜石市役所の3階に私はおりました。ちょうど2時46分、地震が来たときにちょうど議会中でございましたので、市の幹部はもちろんですし、議員の皆さんも全員そろっておりました。 大きな揺れが来た地震で、建物が揺れたもんですから、いったん全員で外に避難しました。で、そのあと今度、津波が来るということになりましたので、またただちに市役所のほうに戻りました。で、戻った途端に、しばらくして今度は津波が押し寄せてくるのを、3階の建物から見ておりまして。で、市役所自体が避難場所でございましたので、付近の周りの住民の皆さんが、どんどん市役所のほうに避難をしてきたという状況でございました。 ただ、幸い市役所の建物がちょっと高いところにありましたので、津波はまさに玄関の入り口すれすれまで来ましたけれども、中のほうには水は来ませんでした。そのことによって市役所の建物にいた市の職員と議員の皆さんは、命が助かったということでございます。 私は3階から津波が押し寄せてくるのを見ておりましたけれども、茫然自失という日本の言葉があるのですが、これは英語でどう言うのか分かりませんが、まさに茫然自失ということ、そのとおりですね。言葉では言えるのですが、それってどういう状況になるかっていうのはまったく、そのとき私も初めて経験しました。茫然自失というのはこういうことなのだなということを、初めて経験させていただきましたけれども。要は何もできませんでした。ただただ、押し寄せてくる津波を見ているしか何もできなかったと思っております。 ただ、そのあと市役所が避難場所になりましたし、また市の職員と共に災害対策本部を設置して、今後の対応についていろいろと取り組んだということですけども、当初はそういう状況でございました。