釜石・野田武則市長の会見(全文2・質疑応答)防潮堤と防波堤は必要
いまの町の様子について
通訳:新しい建設ですとか、例えば鉄の工場なんかも動いていなかったですし、港のほうも誰もいないような状況だったので、いま、またあらためてその情報を持ちうる場合であればどういう状況がいま、見ることができるでしょうか。いまの町の様子を教えてください。 野田:そうですね、震災から2年後のときは、まだがれきも残っていて、倒壊した家屋の撤去もまだ進んでないという状況だったと思いますが、いまは全ての倒壊した家屋の土台まで、全てきれいになっております。地区によっては進んでるところと遅れてるところがありますけども、まずは大方、いま、かさ上げ工事、いわゆる土地区画整理事業という事業をやっている場所と、それから防災集団移転促進事業という、いわゆる高台移転ですね。山を削ってそちらのほうに新しい宅地を造っている場所と2カ所あります。今まで住んでた場所にかさ上げをしてまた住み直すというところと、いままで住んでたところは産業用の土地にして、本来の宅地は山のほうに移るという、この2つなんですね。 で、いずれもいま、工事が進んでおりまして、釜石の場合は大変申し訳ないんですが、ちょっと時間がかかっておりますけれども、冒頭申し上げましたとおり、28年度にはだいたい8割ぐらい終わるという予定でございます。ちょっと長いですかね。 通訳:大丈夫です。 野田:釜石は他の地区と違って、1つ大きな特徴があります。それは先ほど湾口防波堤のお話がありましたけども、その湾口防波堤のおかげで町の中心部はかさ上げをしないで、すぐに再建をする場所に指定することができました。ほかの場所は全部、防潮堤をつくって、その防潮堤の高さに応じて安全な高さまでかさ上げをするわけですが、街の中心部はいまあるままの高さでそのまま再建するということに決めさせていただきましたので、いち早く多くの事業者の皆さんもお店を開店したりしております。 被災地をご覧になるときは、1つはかさ上げをしてる土地なのか。それから高台移転をしている土地なのか。それからもう1つはいま、申し上げましたとおり、従来の土地をそのまま再建しているのかという3つの見方で見るとだいたい分かると思います。 で、いま言った、すぐ再建できる場所というのは被災地の中ではそれほど多くはないわけですので、たぶん三陸、岩手のほうでは釜石が唯一かと思います。そういう町の中心部はすぐ再建することができたので、いま、多くの商店街の皆さんもお店を出すことができてると。かさ上げのところは、かさ上げをしたあと建物を建てますから、それはまだまだこれからなんですね。 そういうこともありまして、多くの企業の皆さんは大方、再建を果たしているところが多ございます。震災前まではまだ戻ってはいませんが、だいたい7割、8割ぐらいは戻ってると思います。問題なのは、こうした大きな企業の皆さんは国の、いわゆるグループ補助という支援制度があって、そのことによってずいぶん助かっているわけですが、そういった支援制度から外れた小さなお店屋さんとか、そういったところがなかなか再建できずに困っているのが現状でございます。市としてはそうしたお店屋さんも再建できるように新たな制度を設けて支援をしていきたいと、こう思っているところでございます。