パートナーから「お金がないから子どもは諦めたい」と言われてしまいました。こういった考え方をする人はどのくらいいるのでしょうか…?
子どもを持つことを経済的な理由で躊躇する人はどのくらいの割合でいるのでしょうか。今回は、子どもを諦めている人の割合や背景を、調査データをもとに解説します。また、子ども向けに展開されている経済的な支援制度もご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
子どもが欲しくない人の割合
ビッグローブ株式会社が18歳から25歳までのZ世代に実施した「子育てに関するZ世代の意識調査」によると、「将来、子どもはほしくない」と回答した人は45.7%という結果でした。 「ほしくない」と答えた人のなかで「お金の問題」「両方(お金の問題・お金の問題以外)」と回答した人は57.9%と半数以上はお金が理由となっています。 株式会社リンクバルが実施した「恋愛・結婚に関する意識と実態調査2024」でも、「子どもは欲しくない」「わからない」と回答した人は39.5%という結果でした。 しかし「金銭面を考えない場合」という条件を加えたところ、「欲しくない」「わからない」と回答した人は28.4%に減るなど、経済的な理由で子どもを持つことを躊躇してしまう人がいることが分かりました。
夫婦の平均世帯年収
それでは今の世帯年収はどのくらいなのでしょうか。総務省が実施した「家計調査報告 2023年(令和5年)」をもとに、核家族でまとめた毎月の実収入と実出費、そして1年間の実収入を年収とした金額を表1にまとめました。 表1
※e-Stat政府統計の総合窓口「家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表」を基に筆者作成 夫婦共働き、妻が専業主婦の家庭の両方において、子どもがいる家庭は子どもがいない夫婦のみの世帯よりも平均収入が多くなっています。しかし支出も夫婦だけの世帯と比べると支払っている金額は高くなっています。 経済的な理由だけで子どもがいない家庭ばかりではありませんが、収入額も少なからず影響があると考えられます。
子ども向けの支援制度
経済的不安などから少子化が進んでいますが、妊娠や育児に関するさまざまな支援制度が用意されています。 例えば、妊娠中に受けられる「妊婦健康診査費の助成」では、自治体から受診票が交付され、妊婦健診14回分の助成金を受けとることができるとされています(各自治体により金額は異なる)。また、子育て用品の購入に使えるクーポンなど「出産・子育て応援給付金」として妊娠届出時と出生届出時に各5万円相当が支給されるようにもなりました。 さらに子どもが0歳から高校卒業まで「児童手当」がもらえます。こども家庭庁によると、3歳未満の第1・2子は月1万5000円、第3子以降は3万円、3歳以上高校生年代までは第1・2子は1万円、第3子以降は3万円です。 また、子ども向けの医療費の助成制度が自治体ごとに設けられています。例えば東京都の場合、「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」では6歳までの乳幼児は自己負担分を助成、「義務教育就学児医療費の助成(マル子)」(6歳から中学卒業まで)と高校生向けの「高校生等医療費の助成(マル青(あお))」では通院1回につき上限200円を控除した額が助成されます。