「知事の座を追われて終わり」にしてはいけない兵庫県の“斎藤劇場”
■背任容疑で告発も「プロ野球優勝パレード疑惑」 残るもう一つの問題は「プロ野球優勝パレード疑惑」です。元県民局長の告発文には昨年、県などの実行委員会が神戸で阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードを企画した際、寄付の集まりが悪かったため、県から金融機関向けの補助金を増やし、そこから寄付金をキックバックさせた疑いも記されていました。亡くなったもう一人の県職員は、パレードに関わった部署の課長でした。 この疑惑について斎藤知事は記者会見で「補助金と優勝パレードは別の事業」などと全面否定しましたが、百条委員会で片山・前副知事は金融機関を訪ねて寄付の増額を依頼したことは認めています。 もし本当にキックバックを目的とした補助金の増額だったとしたら法に触れる可能性があり、既に大阪地検特捜部には背任容疑の告発状が提出されていますし、県警捜査二課も情報収集しているとされます。これも、知事や副知事が辞めて済む問題ではなく、徹底解明が求められています。 もはや知事の交代はほぼ確実ですが、繰り返します。それで終わりではありません。 ■◎潟永秀一郎(がたなが・しゅういちろう) 1961年生まれ。85年に毎日新聞入社。北九州や福岡など福岡県内での記者経験が長く、生活報道部(東京)、長崎支局長などを経てサンデー毎日編集長。取材は事件や災害から、暮らし、芸能など幅広く、テレビ出演多数。毎日新聞の公式キャラクター「なるほドリ」の命名者。
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