増え続けるネット依存とゲーム依存。デジタル時代を生きる子どもたちと親の正しい関わり方とは
ネットやゲームから離れるには、ほかの楽しい時間をいかにつくるかが大事
「ゲームの時間を減らしましょう」と言っても、子どもたちが「うん、わかった」とすんなりやめることなんてないんです。それに暇な時間というのは、ゲーム障害のリスクの1つなんですね。やることがないからスマホをいじって動画を見ている。そしたら、TikTokなんていくらでも次の動画、しかも自分の好きなジャンルの動画が流れてくるわけです。 不登校でずっとゲームをしていた子に「ゲームをやめなさい」と言うのも、目の前にゲームを置いたまま我慢をさせるのは酷な話ですよね。それはお酒でも同じかもしれません。好きなものをじっと見ながら我慢するというのは誰でもむずかしい。 でもその不登校の子が何かに熱中するようになったら、その間は「ゲームをしたい」とあまり思わないわけです。だからとにかく「ゲームを減らそう」ではなく、「ゲームじゃない時間」「ネットじゃない時間」をいかにつくるかが大事なんですね。 お母さんと一緒にスイパラに行ってスイーツを食べてもいいし、海に行って釣りをしても泳いでもいい。離れるために何かほかのアクションを入れる。そこに力を入れるのが僕は良いと思います。
ゲームをすること自体が悪いのではない。要は付き合い方の問題
「ゲーム脳」という言葉もありますが、これもあまりいい言葉ではないと思います。「ゲーム依存」とか「ゲーム脳」という言葉だけが一人歩きしてしまって、「ゲーム=悪」と思われる方も多いかもしれませんが、ゲームをすること自体は全然悪くないと思います。それに、今どきの子どもたちに「ゲームをするな」というのもむずかしい話ですよね。 たしかにゲームと脳の変化について調べた研究はあるんです。でもその変化がゲームによるものなのか、依存症によるものなのかがわからないので、ゲームだけの弊害とは言いにくい。 僕なんかデジタルジャンキーなので、8歳くらいからパソコンを組み立てたりゲームを作ったりしていましたけど、「脳が萎縮して困った」と思ったことは多分ないです……(笑)。 大人に決めつけられることを強く嫌う思春期という年代にとって、「ゲームが悪い」という大人の思い込みが自分の好きなものを全否定されるように感じられて、より険悪な雰囲気になるのだと思います。全部ゲームの話になっちゃいますけど、要は付き合い方の問題だと思います。