増え続けるネット依存とゲーム依存。デジタル時代を生きる子どもたちと親の正しい関わり方とは
ゲームをするなら朝早く起きてやる。「夜はしっかり寝る」を守ること
“MMORPG”と呼ばれる「世界中の人が同時に同じフィールドでプレーできるオンラインゲーム」が登場してから一気にゲーム依存する人が増えたんですね。最近はポケモンなんかもこの系統です。 自分が寝ている間にライバルがどんどん進むわけですよ。日本は夜でも地球の裏側では昼間ですし、世界中の人たちがプレーしていますから。そしてやればやるほどレベルが上がっていく。そうすると夜になっても寝ないでゲームを続けてしまう。そうやって加速度的に依存が増えていったわけです。 次回のお話にもつながるんですが、夜の睡眠ってすごく大事なんですね。ゲームやネットをしてもいいけど、夜はちゃんと寝る。そして朝はしっかり起きる。そこは絶対にぶれないほうがいいです。そして親もちゃんと寝たほうがいい。 どうせゲームをしたいなら朝早く起きて、朝日を浴びながらやればいいんです。そのほうが健全ですよね。
――インターネットに繋がるデバイスやゲームが身近にあり、2019年に開始されたGIGAスクール構想では、小中学校において1人1台の端末と高速ネットワークが整備されました。内閣府の調査でも満10~17歳の97.7%、満6~9歳の89.1%がインターネットを利用しているとのこと(※1)。現代日本において、デジタルデバイスやネットに触れさせずに子育てをすることは、もはや不可能に近いと言えるでしょう。 ゲームやネットに夢中になっている子どもに対して、「何でもかんでもやめさせようとするのではなく、まずどんなものに夢中になっているのかを知ることも大事」だとお話されていた宇佐美先生。その上で、「ずっとやっているとどうして良くないのか」、とくに「夜の睡眠がいかに大切か」をきちんと説明してあげるのが良いのだそう。「夜の睡眠の大切さ」については、次回くわしくお伺いします。 ※2 内閣府「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果」による
【PROFILE】宇佐美 政英(うさみ・まさひで)
児童精神科医。国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科診療科長、子どものこころ総合診療センター長、心理指導室長。日本児童青年精神医学会認定医・代議員、日本ADHD学会理事、精神科専門医・指導医、子どものこころ専門医・指導医、厚生労働省認知行動療法研修事業認定スーパーバイザー。