セ・リーグ優勝争いはもつれてきたが…相手を楽にする「浅野翔吾」の2番抜てき、「大勢」の起用方法には疑問も【柴田勲のコラム】
セ優勝争いは“三つどもえ”再び
巨人が20日からの広島、中日6連戦(東京ドーム)を3勝3敗の五分とした。まあ、負け越さなくてよかったが、セ・リーグの優勝争いがまたもつれてきた。 【写真】昨年3月まで高校生だった浅野翔吾…高松商の仲間たちとの絆は深い
前回の今コラムでは巨人と首位・広島のマッチレースの様相と記したが、阪神が広島に2勝1敗と勝ち越して、その広島に4ゲーム差と迫った。息を吹き返してきた。巨人は広島に1ゲーム差だ。マツダで9月に直接対決を6試合残している。星をつぶし合う。阪神にも大いにチャンスが出てきた。 “三つどもえ”再び、と言っていい。 それにしても巨人、25日の中日戦をよく勝ったと思う。大野雄大に6回までノーヒットだったが、7回にココ・モンテスの初安打から坂本勇人が決勝弾を左翼席に運んだ。 22日の広島戦で延長10回、逆転負けして実に痛い一敗を喫したが、25日の2安打での勝利は取り戻す大きな一勝だった。 2年目の浅野翔吾がラッキーボーイ的な存在になっている。12日の阪神戦(東京ドーム)から1軍に再昇格すると、左手首を骨折して離脱したエリエ・ヘルナンデスの抜けた穴を埋める格好になっている。(※)
浅野の「2番」に反対する理由
浅野が開幕時に1軍にいた時、「打撃が硬い」「柔軟性に欠けている」と評した記憶がある。いまも打席での見た目が楽に構えていない。力が入っている、リラックスしていない。こう映ってしまう。 それでも19歳らしい思い切りの良さでバットを振っている。カーブ、スライダー、カットボールなどの変化球をうまく捉えることがきるようになった。 だが、内角の速球に対応できていない。真っすぐを打ってもファウルになる。これに対応できるようになれば、打撃がまた進化し、違ってくると思う。 24日から2番打者に抜てきされているが、反対だ。2番は送りバント、エンドラン、一塁走者の盗塁を助けるなど、時にいろんなことが要求される。いまは無我夢中でバットを振っている。この良さを消してしまうことにもなりかねないし、プロ2年目の選手には荷が重い。 さらに言えば、浅野を2番に置くことは相手チームに「巨人はそういうことをしませんよ」と言うようなものだ。 打ったら儲けもの。このくらいの気持ちで7、8番あたりに置くのがちょうどいいのではないか。相手チームにとっても7、8番あたりにいた方が怖いはずだ。