“消えかけた”才能 パリ五輪がかかる大一番で復活のゴール 荒木遼太郎「やり続けてよかった」
◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯 準決勝 日本2ー0イラク(29日・ドーハ) 【イラスト】大岩ジャパン、パリ五輪出場決定 注目の本大会組み合わせ 【ドーハ(カタール)29日=後藤亮太】「大岩ジャパン」のMF荒木遼太郎が先発起用にこたえてイラク戦でチーム2点目を挙げて8大会連続五輪出場に貢献した。 一時は“消えかけた”才能が、パリ五輪をかけた大一番で輝いた。MF荒木は前半43分、MF藤田のラストパスを受けて今大会初ゴール。準々決勝のカタール戦でFW細谷の決勝ゴールをアシストしたパスに続き、試合を決める仕事を果たし「自分のプレーで日本に貢献したいと思っていました」と充実感に浸った。 当時19歳の21年、鹿島で10得点を挙げてJ1のベストヤングプレーヤー賞に。しかし以降2年間は1ゴールと、負傷などもあって伸び悩んだ。荒木のように小柄で技術が武器のトップ下タイプは、フィジカル重視の現代サッカーでは絶滅危惧種と言われた。それでも「先輩たちから、自分のプレーはやめるな、自分にしかないものだからやめるな、と言われていました」。鹿島FW鈴木ら、その才能を認める周囲の言葉を支えに、今季移籍したFC東京で復活して今大会のメンバーに滑り込み。信じた道を貫いてつかんだパリ五輪の切符。「やり続けてよかった」という言葉に実感がこもった。
報知新聞社