「“安全な地域”を次世代に」が住民の願い【能登半島地震1年 歩みあしたへ】液状化現象の被害を乗り越えて 新潟市江南区天野地区
「この辺が液状化している可能性があって…」 「あとはここ」 「あとはこの辺がモヤモヤとしているので…」 機械で地面を掘り進める音が響くなか、住民たちもその様子を見守っていました。 【天野中前川原自治会 増田進会長】 「人間って何かわからないのが一番不安なので…」 「被害があったということは事実ですので、その原因が何かっていうのがわかると、それによって一歩前に進めるかなって」 一方で、住民たちのこんな思いもまた本音です。 【住民】 「がっかりしたね。ここ買った時はそういう地盤はわからない…」 「移るにしても…。売ったってどうにもならない」 「この年代で引っ越すわけにはいかないしさ」 地震の“爪痕”は、住民の心に深く残されています。 新潟市江南区の天野中前川原自治会の会長・増田進さんたちが12月に、新潟市の野島晶子副市長に手渡した『要望書』は、住民へのアンケートをもとに作られたもので、新潟市が実施する液状化対策工事について、住民の費用負担を減らしながら早期の実施を求める内容です。 【新潟市 野島晶子副市長】 「この要望は、まさに地域の皆さまの心の声が詰まっているものと受け止めます」 野島副市長は、対策工事には高度な知見と技術が必要で時間がかかるものの、「現状や見通しをできるだけきめ細やかに伝えたい」と回答するとともに、「いくばくかの負担をしていただくのが基本」と経費負担についての理解を求めました。 元日以降、住民からの相談を受け、行政への要望活動もしてきた増田さん。 【天野中前川原自治会 増田進会長】 「やっと一里塚。古い言い方かもしれないけど、なんとか一歩踏み出したのかなという気持ちはある」 「1月1日に、笑って酒を飲める日が来るように…」 地震から1年。 復興は、まだまだ道半ばですが、次の世代にこの地域をつなぐため、住民たちは一歩ずつ、前に進んでいます。
新潟放送
【関連記事】
- 「オウメとかアオウミとか… なんかおかしいな」“青海”が読めない不審な客 タクシーの配車係がとっさの判断 警察に通報し特殊詐欺防ぐ
- 逮捕後に不倫相手に届いた手紙には「一分一秒でも早くあなたの元に帰ります」 妻子殺害などの罪で無期懲役の判決を受けた男 裁判で明らかになった殺害の経緯と動機
- “心霊スポット”化した廃病院で相次ぐ不法侵入などの迷惑行為 住民は「壊してもらいたい」 行政や警察が介入できない理由は…
- 「絵は“生きがい”であり成長」自閉症と場面緘黙症 2つの障害を乗り越えたアーティスト田中翠恵さんの描く“あたたかさ”
- 切手の貼っていない手紙やはがき 誰が料金を払う? 差出人?受取人? 日本郵便に聞いてみると…