「“安全な地域”を次世代に」が住民の願い【能登半島地震1年 歩みあしたへ】液状化現象の被害を乗り越えて 新潟市江南区天野地区
この『液状化しやすさマップ』は、北陸地方整備局と地盤工学会が2012年に作ったもの。天野地区が住宅地として発展した当時にはなかったものです。 長年住み続けた我が家が“液状化する土地”の上に建っていた、という受け入れがたい現実を、住民たちは地震によって突きつけられたのです。 【住民】 「私も歳だから、なんとかいい方法を考えてるんですけど…」 「地盤は見えないでしょ、目にね。それが怖いですよね」 【天野中前川原自治会 増田進会長】 「『とてもこんなところ住んでられない』と、引っ越しや建物を壊すことを考えているお宅もあるようで…」 「表現悪いかもしれないけど、“限界集落”というそんな状況になりつつある」 高齢化が進む地域に降りかかった液状化現象の被害と、今後への不安…。 そんな中で住民は、“地域を元気づけよう”と動き出しました。 もともと新興住宅地だったため、昔から続く“お祭り”のなかった天野地区では、住民同士の交流を深める『夏祭り』を2019年から始めています。 しかし、能登半島地震で多くの世帯が被災したこの年… 【天野中前川原自治会 増田進会長】 「だからこそ、やる価値があると私は考えています」 「少しでも元気を取り戻してもらいたい」 そうして2024年8月も、子どもたちの元気な声が地域に響きました。 「ワッショイ、ワッショイ…」 【住民】 「自分の家もそうなんですけど、まだ被害を直していない状況なんですけど…」 「徐々に気持ちから盛り上げていきたいなって」 「元気づけたい」と話した増田さんも、子どもたちの“元気”に励まされました。 「この子たちには絶対、安全安心な地域にして引き継ぎたい」 「本当に勇気づけられ、これからまた頑張っていかないといけない」 地震から10か月となった2024年11月。 新潟大学 災害・復興科学研究所の卜部厚志教授らが、今後の液状化対策に役立てようと、天野地区の地層を調べるボーリング調査を行っていました。
【関連記事】
- 「オウメとかアオウミとか… なんかおかしいな」“青海”が読めない不審な客 タクシーの配車係がとっさの判断 警察に通報し特殊詐欺防ぐ
- 逮捕後に不倫相手に届いた手紙には「一分一秒でも早くあなたの元に帰ります」 妻子殺害などの罪で無期懲役の判決を受けた男 裁判で明らかになった殺害の経緯と動機
- “心霊スポット”化した廃病院で相次ぐ不法侵入などの迷惑行為 住民は「壊してもらいたい」 行政や警察が介入できない理由は…
- 「絵は“生きがい”であり成長」自閉症と場面緘黙症 2つの障害を乗り越えたアーティスト田中翠恵さんの描く“あたたかさ”
- 切手の貼っていない手紙やはがき 誰が料金を払う? 差出人?受取人? 日本郵便に聞いてみると…