「“安全な地域”を次世代に」が住民の願い【能登半島地震1年 歩みあしたへ】液状化現象の被害を乗り越えて 新潟市江南区天野地区
「1年って… こんなに短かったのか」 ■能登半島地震1年 歩みあしたへ 能登半島地震による液状化現象で大きな被害をうけた新潟市江南区の天野地区の住民たちは、子や孫の世代に“安全な地域”を残すため、復興に向かって歩みを進めています。 【写真を見る】「“安全な地域”を次世代に」が住民の願い【能登半島地震1年 歩みあしたへ】液状化現象の被害を乗り越えて 新潟市江南区天野地区 新潟市江南区の天野中前川原自治会の増田進会長(75歳)らは12月、新潟市の野島晶子副市長を訪ねました。 「孫・子の世代に、安全安心な地域として引き継ぎたい」 手渡した要望書のなかには、増田さんたち住民が抱く“地域への思い”が込められていました。 2024年1月。 元日に起きた能登半島地震から2週間たった新潟市江南区の天野地区では、土のうの積み込み作業が雪の降る中で行われていました。 雪に隠れた道路は、いたるところで陥没。 砂利を埋めて応急処置をしていましたが、地震から半年がたってもその風景は元に戻りませんでした。 【天野中前川原自治会 増田進会長】 「陥没はだいたい…今、80か所くらいですかね」 「まだ時折穴が開いて陥没したりして…」 それどころか、新たに陥没したところもありました。 「誰しも早く忘れたいんですよ」 「やっぱりこういうのがあると見ると思い出しますからね」 液状化現象による被害の大きかった天野地区を中心に、江南区では1614棟(6日現在)の住宅が被害を受けています。 能登半島地震では、新潟市江南区の天野中前川原自治会長・増田進さん(75歳)の自宅も被害を受け、新潟市の罹災証明で『半壊』の認定を受けました。 増田さんがこの天野地区に住み始めたのは、今から40年ほど前のこと。 住民の年代も同じくらいだそうです。 「昭和50年前後から、ここは急激に世帯数が増えた地域…」 日本一の大河・信濃川沿いに位置する天野地区は、1967年に曽野木団地の建設が始まったのをきっかけにして、その後は住宅地として急速に発展。多くの人が移り住みました。 そんな天野地区周辺は、国土交通省の『液状化しやすさマップ』では、最も高い危険度を示す赤色で塗られています。この湾曲した赤色のラインは、江戸時代に治水事業が行われるまで天野地区に信濃川が通っていたことを示しているのです。
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