【更年期の基礎知識】「私って今、更年期なの?」更年期かどうかは基礎体温や卵胞刺激ホルモン(FSH)値で判断を
40代からアラフィフの女性にありがちなのが「老眼」と「更年期」を認めたくない気持ち。「老眼」は確実に見えにくくなるので隠せないけれど、「更年期」は重い症状が出なかったり、ほかの不調と思い込んでしまったら気づきにくいことも。自分が更年期に入ったかどうかを判断する2つの目安を、産婦人科医の吉形玲美さんに教えてもらった。
私って今、更年期なの?
Q. 45歳です。私って今、更年期なの? A. 基礎体温を記録して高温期がなくなったらほぼ更年期。確実に知るには卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値を測り、2桁を超えたら更年期です ◆更年期の目安1:基礎体温の高温期がなくなる 「更年期に入っているかどうかは、基礎体温を記録しているとわかりやすいです。若い頃は低温期と高温期がはっきり分かれ、高温期になる直前に排卵が起きます。更年期には低温期と高温期の周期が短くなり、徐々に高温期がなくなっていきます。閉経までは基礎体温をつける意義が大いにあります」(吉形先生)
◆更年期の目安2:FSHが増える 「また、私たち医師は卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値を更年期に入っている目安にします。FSHは、脳が卵巣に対して『ホルモンを出して!』と指令するホルモン。女性ホルモンの分泌が少なくなると、まず先にこのFSHの値が高くなります。2桁を超えたら、ほぼ更年期レベルにあると判断します。確実に知りたい人は、婦人科を受診すると血液検査で調べてもらえます」
女性ホルモンの“揺らぎ”が始まった頃が「プレ更年期」。揺らぎながら急激に減っていくのが「更年期」
「もちろん女性ホルモン『エストロゲン(E2)』の数値も更年期の基準に。そもそも女性ホルモンが揺らぎながら急激に減っていく時期を更年期と呼び、婦人科などの医療機関で診断にも使われます。更年期よりも前、ホルモンの揺らぎが始まった頃をプレ更年期と言ったりしますが、こちらは医療用語ではないので、はっきりした診断の基準はないことも覚えておきましょう。 更年期には『正しい知識』が一番の味方になってくれます。その後の人生を楽しく健康にしてくれるのも知識です」 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/内藤しなこ グラフ/小柳東子 構成・原文/蓮見則子