ヘアカット代「平均3600円」だが…圧倒的低価格の「1000円カット店」が利益を出せるワケ【登録者数51万人/税理士YouTuberが解説】
総務省によると、ヘアカット代は平均3600円ほど。その3分の1の価格でヘアカットを提供している「1000円カット店」は、一体どうやって利益を出しているのでしょうか? チャンネル登録者数51万人超の税理士YouTuber・菅原由一氏の著書『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、ビジネスの成功要因を見ていきましょう。
そんなに安くて大丈夫?と思いきや、実は急成長している事業
30年にわたるデフレが続いた日本では、「低価格」は引き続き消費者を引き付けるキーワードです。1000円カットの理髪店は、デフレ時代のニーズによって急成長した事業の1つです。 1000円カット大手のQBハウスを例にすると、2000年代の初めの店舗数は100店でしたが、それから20年で約6倍に増えました。年間の利用者数は1500万人、売上は200億円を超えるまでになり、2018年には東証一部市場(現、東証プライム市場)に株式上場し、海外店舗も増やしています。
メニューはカット一択。「オペレーションの簡素化」がポイント
ヘアカット代の平均は3600円ほど(総務省調べ)ですので、消費者としては、3分の1に収まるのはうれしい衝撃です。逆に言うと、事業者側はカット1回あたりの収益が3分の1に減るわけですから、低単価で経営を安定させる方法が必要です。 そのポイントはオペレーションの簡素化です。無駄を省いてコストを最小に抑えるとともに、回転率を高めて売上を最大化しているのです。 例えば、美容室ではカットのほかにパーマやカラーリングなどを行いますが、1000円カット店のメニューはカットのみです。シャンプ―などのサービスもありません。このようなシンプルなオペレーションを徹底しているため、水回りの設備がいらず開店資金が安く収まります。シャンプー、カラー、パーマの時間がかからないため、1人あたりにかかる時間が短縮できます。 また、1000円カット店はカット以外の技術は使いませんので、そのための教育や研修期間がいりません。すぐに現場に立てる即戦力の理容師を増やしやすいことも多くのカットをこなせる理由になっています。
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