シリア反体制派が中部ハマに接近 アサド政権に重圧強まる
[ベイルート/アンマン 3日 ロイター] - シリア反体制派は3日、同国中部の主要都市ハマ付近まで前進した。先週北部の要衝アレッポをほぼ制圧して以来攻勢を続けており、アサド政権の土台が揺らぎつつある。 反体制派や人権団体によると、ハマ周辺の幾つかの集落を反体制派が掌握した。シリアの国営メディアはこの地域に政府軍の増援が到着したと伝え、戦闘が激化している様子がうかがえる。 ハマは2011年の内戦勃発以降、ずっと政府側が確保してきた都市だけに、アサド政権に対する重圧が増している形だ。 国際社会からはさまざまな反応が出ている。アサド政権を支援しているイランのアラグチ外相は、シリア政権の要請があれば軍部隊の派遣を検討すると表明。同じくアサド政権を支えるロシアのプーチン大統領は、シリアに対する「テロリストの侵略」を止めるべきだと訴えた、とロシア国営RIAノーボスチ通信が報じた。 イラクのスダニ首相は、シリア問題でイラクが「単なる傍観者」になるつもりはないと述べ、イスラエル軍によるアサド政権支配地域への空爆が反体制派を有利にしていると非難した。 アサド政権にとって問題を難しくしているのは、米国が支援するクルド人主体の政治勢力に属する戦闘員が北東部で政府軍と交戦を開始し、新たな戦線が形成されて政府側の重要な補給ルートを脅かしていることだ。 2日にはイランが後ろ盾となっているイラク人民兵部隊がアサド政権支援のためシリアに入ったもよう。反体制派の関係者は、ハマ郊外で戦っている相手側には親イランの民兵が含まれていると明かした。