【毎日書評】目の前のハードルが高いとき、400年読み継がれる「賢人の知恵」がヒントになる
計画を着実に練る
新しい計画にとりかかる前には、よく考えることが大切。自分の仕事を永く残したいのであれば、いまある時間を割いて、しっかり計画を練ることをバルタザールはすすめています。あわててやってしまったことは、取り消すのに手こずることになるからです。 価値あるものは労力もかかるもの。価値のある貴金属は、比重が大きくて溶解しにくい金属だ。急いては事をし損じるのである。(148より)
ゆっくり急ぐ
頭を使って計画を練ったら、次は懸命に計画を実行する番。 ただし、早まってはいけない。予想して備えておくのが当然の問題点にも気づかないようでは困る。用心を怠らず、必要なら立ち止まってよく考えること。(149より) とはいえ、ぐずぐずしていると計画全体が止まってしまうため、あまり長く立ち止まりすぎるのもNG。そのためここでは、「ゆっくり急ごう」というメッセージを投げかけているわけです。(149より)
重要なことから始める
楽しいことを先にして難しいことは最後まで延ばし延ばしにする習慣を断ち切ろう。重要なことはいつも最初に着手し、その他のことは後からだ。まず戦わなければ、勝利の喜びもありえない。(150より) 些細なことでぐずぐずしていると、大切な勢いを失い、手に入るはずの成功や名声が得られないまま能力が衰えてしまうかもしれません。だからこそ、正しく生きるために適切な価値観を身につけるべきだという考え方。(150ページより)
失敗を恐れない
過信しないように、簡単な仕事であっても充分な配慮をすることが大切。難しい仕事の場合は、失敗を恐れないことが重要だとバルタザールはいいます。 先延ばししていては何も成就できない。だが、自信を持って取り組めば不可能に思えたことでも達成できる。あれこれ考えて時間を無駄にしないこと。そうでないと、起こりうる問題について心配するあまり、そもそも取りかかる前に思いとどまってしまうことになるからだ。(151ページより)
見せかけだけではなく結果を出す
たいしたことができない人は、その精彩を欠いた成果を大きく見せようとするもの。ほめてもらいたくて、自分のやったことが立派に見えるように仕向けたり、人の注意を拾い集めようとするのです。 本当に何かを達成した人は、このようなわざとらしい態度をとる必要がない。業績が自分の代わりに物語ってくれるから安心だ。自慢したり書いて残したりする必要もない。 英雄に見せかけるのではなく、真の英雄となるよう励もう。(154より)