子どものアルバイト「社会保険料」はどうなる?「扶養控除」で損をしないためのポイント
2024年10月から、被保険者数51人~100人の企業に勤めるパート・アルバイトの方は、社会保険への加入義務が発生する見込みが出てきます。 ◆【写真3枚】給与額面と手取りの相関図。2枚目以降では、社会保険の適用範囲などを掲載。 あなたの子どもがアルバイトを始めた場合にも、社会保険の加入義務が発生する可能性はゼロではないのです。 そうなると子どもの給料から保険料を差し引くわけですが、具体的にどういったケースで社会保険料の支払いが発生するのでしょうか。 今回の記事ではその疑問にお答えします。 加えて、子どものアルバイトと「扶養控除」という制度との関係もお伝えします。 扶養控除は所得税の支払いに関係する制度であり、場合によっては親がより多くの税金を支払う必要が出てきます。 「自分の子どもがこれからアルバイトを始める」という時は、一度この記事に目を通してください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
子どものアルバイトの収入と社会保険料との関係
健康保険をはじめとする社会保険には「被扶養者」という概念があります。 被扶養者とは、社会保険に加入している方が自分の稼ぎで生計を維持させている家族のことです。 こちらに該当する家族は、一定の条件を満たしていれば保険料を支払わずに社会保険に加入できます。 もちろん自分の子どもも被扶養者に含めることが可能です。 しかし子どもがアルバイトをしている場合、ある条件を満たすと被扶養者から外れます。 その「ある条件」とは、一定の収入額を超えることです。 収入が多くなると被扶養者でなくなり、子どもの給料から保険料を差し引いて社会保険に加入する必要があります。 給料が一定のライン(「年収の壁」と呼ばれます)を超えることで、社会保険料が発生し、子どもの手取りが減る仕組みです。 では「一定のライン」とは具体的にどれくらいの金額なのでしょうか。次の章で詳しくみていきましょう。 考えられる可能性として、以下の2つの金額が挙げられます。 ●(1)「年収の壁」年収130万円 年収130万円以上の家族は被扶養者から外れるというルールがあります。 当然子どものアルバイトについても同じように適用されるため、まずはこのラインを超えないのが大事です。 年収130万円というのは、月収に直すとおよそ10万8000円。 週に15時間働く場合、時給1800円以上で月収10万8000円を超える計算です。 かなりの高時給なので超えるのはそこまで多くないケースかと思いますが、年収130万円という金額は頭に入れておきましょう。 ●(2)「年収の壁」月収8万8000円(子どもが学生でない場合) 子どもが学生でない場合は、年収130万円の前に「月収8万8000円」のラインに注意しなければなりません。 というのも、パート・アルバイト労働者で以下の条件をすべて満たす場合は被扶養者でなくなり、社会保険に加入しなければならない、という規定があるからです。 ・事業所の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上) ・週の所定労働時間が20時間以上 ・賃金が月額8万8000円以上(年収106万円以上) ・雇用期間の見込みが2ヶ月以上 ・学生でない 企業規模については冒頭でお伝えした通り、法改正で2024年10月から被保険者数が常時51人以上の企業が対象になります。 収入以外にも条件があるため、月収8万8000円以上だと直ちに被扶養者から外れるとは限りません。 とはいえ、子どもの収入を減らしたくないなら気を付けるに越したことはないでしょう。 子どもが学生でない場合は、他の条件にも当てはまらないか注意しましょう。 次の章では、子供のアルバイトの収入と「扶養控除」との関係について解説します。