AMD PROがDell Pro Plusに搭載。これでトップ5メーカーすべての法人向けPCでAMDが採用されることに
AMDは1月7日~1月10日に米ラスベガスで開催されているCESに出展し、Ryzen 9 9955HX3Dといった新CPUや、企業向けのAMD PROなどの説明を行なった。 【画像】Ryzen 9 9950X3D(Granite Ridge)を公開するAMD 上級副社長 兼 コンピューティング・グラフィックス事業本部 事業本部長 ジャック・フィン氏 ■ Granite RidgeなどのSKUが発表 AMDの記者会見には、同社 CEO リサ・スー氏が登壇するのが通例で、実際の製品の細かな詳細などは現場の担当者が説明することが多い。 しかし今回に関してはゲーミングPC向けとAMD PRO製品について、上級副社長 兼 コンピューティング・グラフィックス事業本部 事業本部長 ジャック・フィン氏が説明を行ない、モバイルノート向けは上級副社長 兼 クライアントビジネス事業本部 事業本部長 レイハル・ティコ-氏が説明を行なった。 今回AMDが発表したのは、以下の各製品になり、実物などが公開された。 ・Ryzen 9 9950X3D(Granite Ridge) ・Ryzen 9 9955HX3D(Fire Ridge) ・Ryzen AI 300 Maxシリーズ(Strix Halo) ・Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point)の廉価版SKU ・Ryzen 200シリーズ また、次世代GPUアーキテクチャとなる「RDNA 4」の開発意向表明が行なわれ、次世代のGPU製品となる「Radeon RX 9070 XT」、「Radeon RX 9070」が第1四半期中に発表される計画であることが明らかにされた。 なお、それぞれの製品の詳しいスペックなどに関しては以下にまとまっているため、そちらをご参照いただきたい。 ■ AMD PROがDellの法人向けノートでも採用 今回AMDは、Ryzen AI Maxシリーズ、Ryzen AI 300シリーズの追加SKU、Ryzen 200シリーズの一般法人向け版となるAMD PRO版を発表した。 昨年の10月にサンフランシスコで開催したイベントでは、Ryzen AI 300のAMD PRO版が発表されて、今回はそれに次ぐ追加のSKUということになる。 会見では、ASUS 共同CEO サムソン・ヒュー氏、HP パーソナルシステム事業本部 事業本部長 アレックス・チョー氏、Lenovo 上席副社長 兼 インテリジェントデバイス事業本部 事業本部長 ルカ・ロッシ氏がビデオで出演し、各社がAMD PROを採用した製品で法人向けのノートPCに取り組んで行くことが表明された。 AMDのフィン上級副社長は、ASUS、HP、Lenovoの3社と、ビデオでは登壇していなかったがすでにAMD PROを搭載しているビジネス向けのノートPCを投入しているAcerのロゴを表示しながら「どこか足りないピースがあるのではないか?」と述べ、その足りないピースとして、グローバルな大手PCメーカー5社のうちでこれまでAMD PRO製品を採用してこなかったDellを代表してDell Technologies クライアント事業本部 事業本部長 サム・バード氏を壇上に呼び、DellがAMD PRO製品を採用する計画であることを発表した。 Dellは同社が新しくリブランドした法人向けの製品「Dell Pro」でAMD PRO版のRyzenを採用する計画ことを発表。報道発表資料の中で、Ryzenを搭載したDell Pro製品を本年発表する計画であることも明らかにしており、今回の会見ではAMD PROのRyzenを搭載したノートPCとして、メインストリーム向けのDell Pro Plus(Dell Proのメインストリーム向け製品)を公開し、今後提供していく計画であることを明らかにした。 Dellの法人向けでのAMD採用により、大手PCメーカー5社(Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo)の法人向けノートPCすべてでAMD製品が採用されたことになる。これまでIntelが強かった法人向けのノートPC市場で市場がどう変わっていくのか、要注目と言えるだろう。
PC Watch,笠原 一輝