【不定期対談】天竺鼠の川原と。クリープハイプ・尾崎世界観「表現をする上で 『お客さん』はどんな存在なのか?」(前編)
川原 俺自身、誰かと一緒に作品を作っていくってことはあんまりないんだけど、世界観くんはたぶん〝ちゃんと変〟だから。奇をてらって変なことをしようとしてるんじゃなくて、世界観くんの好きなものが、たまたまちゃんと変。 尾崎 ちゃんと変であることは大事ですよね。 川原 そうそう。本当はみんな変なはずやねん。チャクラが開いた状態で生まれてきてるのに、ルールの中で生きていくことでどんどん閉ざされちゃうんよね。でも、それが閉ざされてない人がたまにいる。ジミー(大西)ちゃんなんかはもう、チャクラ以外の〝何か〟も開いてるから。 尾崎 (笑)。芸人さんでいうと、どういうところでわかるんですか? 川原 ネタやなぁ。まじめなんだけど変なふうに見せようとしてる人はすぐわかる。逆に「コイツ、ほんまに変やな」もすぐわかるんよ。 ゆりやん(レトリィバァ)、ZAZY、ランジャタイとかは、ウケるかどうかじゃなくて「自分が好きだからやりたいんやろな」っていう......。なんやったら、ちょっと頑張ってまともに寄せようとしてる感じすら見える。俺もそうなんよね。 尾崎 めちゃくちゃピュアにやってるということですよね。 川原 そうそう。で、そこがちゃんとウケないねんな(笑)。でも、俺はそういう面が見えたときに「おもしろい」って感じる。本当に好きなことをしてる人は、自分が変っていうのがわかってないんやろうね。 尾崎 バンドのフロントマンだと、「どうせ変なんでしょ?」というふうに思われることもあるんですが、それがとにかく恥ずかしいんですよね。こっちは別にそこを狙ってるわけでもないのに、勝手にそう思われる居心地の悪さがあります。 川原 けっこう、昔から変って言われてきたっていうのもあるの? 尾崎 それはそうですね。声のこともあって、よくそう言われていました。別にいまさらそれに対していやな気持ちはないんです。 ただ、嘘くさいというか、無理してると思われるのが一番いやですね。これはもう相手がいることなので、こっちが決められない。だからこそ腹が立つというのはあります。