予選準決勝で無念のPK戦負け。双子の兄と“2人揃って選手権のピッチで”の夢は叶わずも、市船GKギマラエス・ニコラスの高校サッカーは終わらない
同点に追いついてからの存在感は絶大だった
第103回全国高校サッカー選手権大会千葉県予選準決勝、日体大柏vs.市立船橋の一戦。昨年度の選手権ベスト4の立役者だった市船のGKギマラエス・ニコラスは、何度もスーパーセーブを見せてPK戦でも1本をストップしたが、結果は1-1からのPK戦で敗退。連覇と、2年連続国立進出の夢は潰えた。 【画像】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開! 「これが自分たちの実力だと感じました。プレミアリーグは良い調子で来ていましたが、一発勝負になるとやっぱりプレッシャーなどが出てきて、ちょっと動揺をしてしまうなど気持ちの部分で成長しきれていなかったなと感じました」 激戦区・千葉を勝ち抜くのは簡単ではない。それは理解していた。昨年度の選手権予選決勝で市船は日体大柏を5-1で破っており、相手はそのリベンジに燃えに燃えていた。受け身に回ったわけではないが、ニコラスのもとには枠をとらえたシュートが多く飛んできた。 28分に先に失点を喫するが、同点に追いついてからの彼の存在感は絶大だった。後半アディショナルタイムに右からのクロスを中央でFW吉川友翔が決定的なハーフボレーを放つが、これを驚異的な反応で横っ飛びをして指先に触れてコースを変えて外に出す。延長前半7分には枠を捉えた直接FKをバーギリギリのところで両手で弾き出した。 ブラジル人の父とフィリピン人の母を持つニコラスには、双子の兄がいる。兄のギマラエス・ガブリエルは市船でCBを務めているが、昨年度のプレミアリーグEAST終盤では共にピッチに立つこともあったが、選手権は同じピッチに立つことができなかった。 「ガブは準決勝の青森山田戦でPK戦で負けた時に、ベンチで出られなかった悔しさもあったにもかかわらず、僕のそばに真っ先に駆け寄って『本当に凄かった。尊敬しているぞ』と言ってくれた。今年は兄弟で全国大会のピッチに立つことが1つの大切な目標でした」 その目標が今年のインターハイで叶った。ベスト8に進出したチームにおいて、2人の存在感は大きかった。それ以降はプレミアEASTで直近6試合を4勝2分の無敗で好調を維持するチームの中で、その全ての試合に出場したニコラスに対し、ガブリエルも4試合スタメンと躍進を支えた。