「50歳になったら仕事をやめてゆっくりするよ」→2000年前の哲学者の猛ツッコミが正論すぎて何も言えない…
日々時間に追われ、本当にやりたいことを先延ばしにしている人は少なくない。「60歳になったら始めよう」「仕事が落ち着いたらやろう」と心の中で「いつか」を唱え続けているうちに人生は終わってしまう。仕事やお金を優先して生きる現代人に、ストア派の哲学者たちが教えてくれる「タイムイズマネー」論とは?※本稿は、ブリジッド・ディレイニー著、鶴見紀子訳『心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 「いつかやる」で先延ばしにしがちな 現代人に哲学者セネカの言葉は届くか ストア派は、死への見通しやこの世で与えられた時間に対して現実的な目を持っていました。彼らは、死はコントロールできないが、死をどう考えるかはコントロールできると認識していたのです。 エピクテトスいわく、 「私は死から逃れることはできない、しかし少なくとも死に対する恐怖から逃れることはできるのだ」 マルクス・アウレリウスは警告しました。 「1万年生きるようなつもりで行動してはならない。死はいつもあなたの頭上に低く覆いかぶさっている。生きている間は、自分の力を尽くせることであれば、善行をなせ」 古代も今も変わりはありません。本当の人生を始めていない人は私たちの中にも沢山います。いつかはちゃんと休みをとって今をのんびり楽しむのだと心に描きつつも、働いてお金を稼ぐことに忙しすぎるのです。 セネカはずばりと言いました。 「あなたは沢山の人からこういう言葉を聞くだろう。『50歳になったら仕事をやめてゆっくりするよ。60歳になったら公務から引退するさ』。では、あなたが長生きする保証はどこにあるというのだ?自分が決めたとおりに物事が進むことを、誰が可能にしてくれるというのか?」 「自分のための人生は残りわずかで、他の仕事が何もできなくなってから学問に身を捧げるなんて恥ずかしくないのか?人生が終わるときになってようやく本当の人生を始めるなんて、あまりに遅すぎる!」