ドラッグ依存のホームレスが急増、空き店舗も続々…ドジャース球場から20分「ロス郊外」のヤバい治安
ドジャース公式ショップでは、ワールドシリーズ記念のTシャツが売られ、その同じ並びには、民主党の大統領候補、カマラ・ハリスの選挙運動の拠点があり、ボランティアたちが活動している。 ■郡はホームレスたちへ注射器を無料配布 そんな中「Santa Methica is Not Safe(サンタ・メシカは安全ではない)」というメッセージが印刷された巨大な垂れ幕が下がっている店舗があった。「メシカ」とは、「メス」という略語で知られる覚醒剤のメタンフェタミンを「モニカ」にひっかけた造語だ。
ドラッグ依存のホームレスが急増していることを指しているのは、明らかだ。その下には「サンタモニカで犯罪の被害に遭った人はいますか? 私たちと一緒に集団訴訟を起こしましょう」というフレーズが印刷されている。 この垂れ幕を掲げたのは「サンタモニカ連合」という非営利団体の市民グループだ。この商店街内に店舗ビルを所有し、不動産業を営むジョン・アレ氏がこの団体の代表を務める。アレ氏はこう語る。 「サンタモニカ市議会は、市内の公園内で、ホームレスの人たちへの注射器の無料配布を許可してきた。ドラッグ依存症のホームレスが昼間からたむろし、芝生の上には注射器があちこちに落ちている。そんな公園で、私たち住民は、子どもたちを安心して遊ばせることはできない」
実際に、サンタモニカ市内の複数の公園内で、ロサンゼルス郡の公衆衛生局が、地元のクリニックと協力して、エイズの蔓延を防ぐため、新しい注射器をホームレスの人々に配布し、使用済みの注射器と交換するプログラムを実施してきた。公園でドラッグを注射する人々や、道端に落ちている注射器などの様子をアレ氏は映像で詳細に記録している。 だが、サンタモニカ市議会メンバーたちは、アレ氏の主張にこう反対する。「注射器配布は、ロサンゼルス郡がその権限において実施しているプログラムで、私たちの市にはそれを止める権限はない」。