「マンガ図書館Z」サイト停止の背景を創設者の赤松健さんが説明 SNSでは決済代行会社による「焚書」と強い反発
絶版漫画を中心とする電子書籍配信サービス「マンガ図書館Z」が11月26日でサイトを停止すると発表し、その原因がクレジットカード会社や決済代行会社による圧力だったことから、ネット上で大きな批判が巻き起こっている。この一件について、漫画家で参議院議員の赤松健さんが自身のXアカウントで改めて状況を説明した。 【画像】マンガ図書館Zの決済サービス停止のお知らせ。クレジットカードのみならず「ドコモ払い」も使えなくなる マンガ図書館Zは、絶版マンガを中心に電子書籍を無料で配信し、広告収益を作者に還元する広告収益型サイト。有料のプレミアム会員制度があり、サーバ代などはその会費で賄っている。 赤松さんの投稿によると、サイト停止の直接的な原因は、決済代行会社が「クレジットカード決済以外の決済手段も含む、決済サービス全体での解約」を通告してきたため。「クレジットカードはJCBを含む全てのカード会社が突如使用不能となり、他の決済方法も(ビットキャッシュ以外)全て使えなくなりました。おまけに、既に過ぎている月の支払いまでも留保となり、その期間(今後も)のプレミアム会員費が全く入らなくなったため、サーバ代さえ出ない状況に陥りました」という。 運営スタッフで協議し、1)ビットキャッシュ収益だけで運営するのは不可能、2)代わりの決済代行会社を見つけたとしても、また同じ現象が起こる可能性がある、3)一部の作品だけ削除してしのぐことは避けたい、と判断。サイトの停止を決断した。赤松さんは「 通告から支払留保までの期間があまりに短く、『決済サービスをおさえる企業に屈する』形になったことを深くお詫びいたします」と利用者に向けて謝罪している。 しかし今回の一件を通じ、1)どのような根拠で決済サービスの停止を宣言してくるか 、2)どれくらいのペナルティが来て、どれくらいの期間それが続くか、3)具体的にどのような回避策があったのか など、当事者ならではの正確な情報が得られたという。今後の調査、ヒアリングに生かす考えだ。 赤松さんは「近年、これまでにない『強い条件』や『強いペナルティ』が決済サービス側から発せられており、これらを放置すると電子書籍のみならず、日本のコンテンツ業界全体の問題となってくるのは確実な状況です。『実際に閉鎖に追い込まれた側』として、より正確な対抗策を打ち出してまいります。皆様のご支援を何とぞお願いできればと思います」として支持を訴えた。