<いざ令和の春>センバツ鳥取城北 軌跡/中 実戦重ね、自信が確信に /鳥取
鳥取市・国府町に2015年に完成した鳥取城北の野球部専用グラウンドは中堅120メートル、両翼95メートルと阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)を想定した大きさになっている。更に4レーンで打撃練習ができる屋内練習場やナイター照明も備える。1年半後には第2球場も完成した。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 伝統的に強打線を持ち味にする鳥取城北は、練習時間の約8割を打力アップに充てる。2019年秋の県大会は結果こそ優勝だったが内容は決して褒められるものではなかった。ささいなミスから試合がひっくり返る恐れがあるのを体感した貴重な機会になった。 チーム発足時に掲げた「日本一」という最終目標達成のため、飛躍的なスキルアップが必要だというのはナインの共通認識になった。ティーバッティングに加え、走者を塁に置いた守備練習など実戦を想定した動作の確認にも時間を費やした。 中国地方の強豪を地元で迎え撃った秋の地区大会。「背番号1」の松村亮汰(りょうた)投手(2年)を開幕直前に右脇腹のけがで欠いたが、初戦の南陽工(山口3位)戦、続く準々決勝の平田(島根2位)戦とも失点を2に抑えて勝ち、チーム内に自信が芽生えつつあった。 準決勝の相手は前回18年大会の初戦、3―9の大敗を喫した強豪・創志学園(岡山1位)。今大会の優勝候補筆頭でもある。試合は初回2点を先制したものの、5点を奪われ追う展開に。五回に同点に追いつき2死満塁の場面で、前の回に二塁適時打を放った6番・構(かまえ)優斗内野手(2年)に打席が回ってきた。山木博之監督(44)から「何を打つのかよく見定めろ」と助言を受け、走者一掃の三塁打でチームは勝ち越しに成功。コールド勝ちで雪辱を果たした。 主将の吉田貫汰(かんた)内野手(2年)は「初戦こそ焦りはあったが(創志学園戦は)負ける気がしなかった。点を取られても取り返す自信があった」。試合を重ねるにつれ自信が確信に変わったが「野球の神様」はナインに更なる試練を与えた。