パリ五輪の総合馬術団体で銅メダルを獲得した戸本一真

　パリ五輪の総合馬術団体〝初老ジャパン〟の一員として銅メダルを獲得し、馬術競技で９２年ぶりのメダルを手にしたＪＲＡ職員の戸本一真（４１）が１８日、札幌競馬場に〝凱旋〟。銅メダルを首から下げて特別レース３鞍で誘導馬に騎乗した。 【写真】元サッカー日本代表・小野伸二、札幌記念Ｖの岩田康誠と並ぶ戸本一真 　歴史的快挙を成し遂げた戸本のもとには、馬術界でつながりのある調教師や競馬学校教官時代の教え子にあたる騎手らが次々と訪れて祝福。ＪＲＡオフィシャルＹｏｕＴｕｂｅチャンネルでは「ジョッキーカメラ」ならぬ戸本目線の「誘導馬カメラ」映像が公開されるなど、フィーバーが続いた。 　戸本は誘導馬について「落馬しないように、すごい気をつけました」と笑わせたが、その後はメダル獲得の喜びもそこそこに馬術界の現状に言及。「まだ世界のトップには追いついていないのが現状。若い層から育ってもらわないと、馬術界が衰退してしまうので頑張ってもらいたい」と、〝初老軍団〟を超える後継者の奮起を促した。 　今後は一旦、拠点にしてきた英国へ向かうものの、９月には帰国。日本での活動が中心となることを明かした。ただ、国際ルールに定められた基準を満たす試合は欧州でしか開催されておらず、帰国後は「全く環境が違う」と危惧する。 「日本にいると、五輪レベルを維持するというのは今のところ難しい。このままいくとロスを目指せないんじゃないかな…という状況でして。日本チームがまた何十年間もメダルを取れないのはすごくもったいないと思うし、またロスに向けてやりたいんですけど…」 　ＪＲＡ職員という立場で、馬事公苑に所属しながら海外に〝赴任〟していた形だけに、４年後に向けて危機感を強く募らせていた。