いなくなった〝ダイワ〟の馬 ダイワメジャーを管理した上原博之調教師が今でも語るオーナーへの感謝
今週末、中山競馬場ではGⅡセントライト記念が行われる。3歳馬が芝2200メートルで覇を競うこのレースはクラシック3冠最後のGⅠ菊花賞へ続く前哨戦。過去の勝ち馬にはディーマジェスティ、キタサンブラック、フェノーメノやナカヤマフェスタ等、春のクラシック戦線で活躍した馬や後にGⅠを勝利する馬も、名を連ねている。 2008年にこのレースを勝ったのがダイワワイルドボアだった。管理したのは美浦の上原博之調教師。同馬の半姉コックニーも面倒を見ていた調教師だ。上原師は言う。 「コックニーは短いところで活躍しましたが、ワイルドボアは全く違うタイプで、長丁場が合っていました」 この上原調教師と〝ダイワ〟といえば思い出されるのはダイワメジャーだろう。ダイワワイルドボアがセントライト記念を勝利する前年の07年、GⅠ有馬記念で3着したのを最後にターフを去り、種牡馬入りした。 コックニーが短距離、ダイワワイルドボアは長距離で良かったと記したが、このダイワメジャーはどんな距離でもそれなりに走れる力を持っていた。2000メートルのGⅠ皐月賞制覇で頭角を現したが、その後には1600メートルのGⅠ安田記念(07年)やGⅠマイルチャンピオンシップ連覇(06、07年)の他、2000メートルのGⅠ天皇賞・秋(06年)も勝利。2500メートルの有馬記念でも06、07年と連続で3着に好走した。 「大城(敬三)オーナーには本当にお世話になりました」 20年6月に逝去したオーナーに対し、上原師は今でもそう語る。残念ながら〝ダイワ〟の現役馬はいなくなってしまったが、今年のセントライト記念ではどんなドラマが待っているだろう。期待しつつ注目したい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部