相次ぐサプライズ人事 次期トランプ政権の狙いは…【Bizスクエア】
――通商代表はまだ決まっていないが、元通商代表のロバート・ライトハイザー氏が戻ってくるかもしれない。 明星大学経営学部教授 細川昌彦 氏: 日本にとっては聞きたくない名前かもしれない。打診はされたが、(本人は同じ役職には不満があり)同じ役職かホワイトハウスの中に新設の通称ポストを設けて、メンツを立てて処遇するという話など飛び交っている。いずれにしても、通商分野では出てきて取り仕切ることは多分多間違いないだろうと言われている。 ■次期トランプ政権 焦点の高関税は? ――関税政策だが、トランプ氏は、対中製品には60%。日本を含む他の国からの輸入品には10~20%かけますと言っているが、本当に日本からの自動車などに20%の関税をかけるのか。 明星大学経営学部教授 細川昌彦 氏: 「脅し」として言うだろう。対中国の60%と、他の国への10から20%は意味合いが違う。税率の高低の違いだけではなく、中国の場合は「戦略的デカップリング」という言葉があるぐらい分断をして、これからも辞さないという構えだ。 ――中国経済をアメリカ経済、さらに世界経済からも切り離す。 明星大学経営学部教授 細川昌彦 氏: はい。だから中国製品・安いものが入ってこないようにすると同時に、国内で製造業を起こしていく、復活していく、このために(必ず、ほぼ全部)やるという世界。それに対して、日本・同盟国も含めて脅しで、これから先、他のものを取るための「交渉の武器」として使う。自動車だけでなくそれ以外の、他の物を取るためにやるから、交渉の道具として使うという意味でやる。全てを20%にするわけではない。 ――前トランプ政権の時に日本は「日米貿易協定」の交渉で大変苦い思いをしている。アメリカがTPPから脱退して、「農産物の引き下げなど恩恵がないので、アメリカにもそれをよこせ」ということだった。その時「25%の関税を自動車にかける」と脅してきたので、日本は結局譲歩した。