相次ぐサプライズ人事 次期トランプ政権の狙いは…【Bizスクエア】
過去に陸軍兵士としての軍歴はあるものの、政府で要職を務めた経験がないヘグセス氏の起用に疑問の声も上がっている。 自らをタリフマン=関税男と称しているトランプ氏。雇用を奪う安い輸入品をアメリカから締め出すために公約の目玉に据えているのが、最大60%の中国への関税。これを実現するため、外交トップの国務長官に指名したのが中国に対する強硬派で知られるマルコ・ルビオ上院議員。 マルコ・ルビオ上院議員: 中国は、現時点では世界的な影響力においてアメリカ最大の敵国であることに、ほとんどの人が同意するだろう。 キャノングローバル戦略研究所 峯村健司主任研究員: (ルビオ氏は)一言で言うと「筋金入りの対中強硬派」と言っていい。2018年ぐらいに言われた言葉で鮮烈に痛烈に覚えているが、これはもう「文明の衝突」なんだという言い方をする。つまりもう政治体制だけではなくて、イデオロギーもそうであるし、もっと言うと人種。中国も非白人の相容れない「不倶戴天の敵」であるという意味を感じる。 中国政府はルビオ氏を入国禁止にしている。対中強硬派のルビオ氏は、香港の民主化運動の支援や新疆ウイグル自治区での強制労働の排除などを目的とする法案を提案している。 キャノングローバル戦略研究所 峯村健司主任研究員: (入国禁止の)制裁対象ということを知っていても、ファイティングポーズを示すのは一つの意味。入国禁止になっているということは、ルビオ氏がどこかで米中の外交会談をやるのかと。第三国で会うのか、という話も出てくるし、制裁対象の人が中国の外務大臣と会っていいのかと。これも二重三重の問題があるという意味で、非常に中国にすると頭が痛い。 ■次期トランプ政権 人事から透ける思惑 ――トランプ次期政権の閣僚人事が次々と発表されているが、今回は前回と違って動きが早い。 明星大学経営学部教授 細川昌彦 氏: 相当準備をしてたようです。 ――前回は遅れに遅れて、もめた人事もあった。今回、注目の人を挙げてみる。国務長官については対中強硬派のルビオ氏だったが、名前の知らない人が次から次へと出てきた。国防長官は、ヘグセス氏。いきなりテレビ司会者が就いても大丈夫なのか。ほかにも、司法長官には保守強硬派のマット・ゲーツ氏、国家情報長官には元民主党下院議員のトゥルシ・ギャバード氏…みんな「いわくつきの人」だ。