トレーニングの巨匠・岡田隆教授に聞いた、トレーニーに必要な8つの心得
トレーニングについて“もう10周は回った”人じゃないと気づけないこともある。だからその道の先輩である岡田隆先生に、トレーニーに必要な「8つの心得」を聞いてみた。
教えてくれた人
岡田隆さん(おかだ・たかし)/日本体育大学体育学部教授。東京大学大学院総合文化研究科単位取得満期退学。理学療法士、博士(体育科学)。骨格筋評論家「バズーカ岡田」としても、各種メディアでトレーニングの重要性を説いている。
効果、継続、メンタル。3つの視点を忘れない
最先端のトレーニング理論の研究者であり、現役ボディビルダーでもある。そんな稀有な存在が、日本体育大学の岡田隆教授。2023年11月、『WNBFプロボディビルディング世界選手権』で40歳以上のマスターズクラスに出場。見事に優勝した先生からの助言は、ビルダーを目指さないトレーニーにも参考になる。 岡田先生は①効果、②継続、③メンタルという3つの視点でグッドトレーニーの条件を挙げてくれた。 「成果が自覚できない限り、トレーニングは挫折します。ですから、効果的な方法を知ることが重要です。ただし、いかに効くトレーニングでも続かないと絵に描いた餅。一度や二度ではカラダは変わらないので、継続するための知恵を持っておくべきでしょう。そしてフィジカルとメンタルは表裏一体ですから、カラダを鍛えるなら、メンタルの整え方も知っておいてほしいのです」 こうして出てきたのが、全部で8つの奥深い箴言(後述)。どれも座右の銘にしたいものばかりだ。 先生自身がトレーニーになったきっかけは、何だったのだろうか。 「小学2年生でアーノルド・シュワルツェネッガーが主演した『コマンドー』という映画をテレビで観て、“あんなカッコいいカラダになりたい!”と思った。なぜだかわかりませんが、トレーニングすればカラダは変わるという事実を子供ながらに知っていたので、翌日から即腕立て伏せを始めました(笑)」 高校に進み柔道に打ち込むが、幼少期から柔道をやっているライバルには、技術面では到底太刀打ちできない。その弱点をフィジカルの強化で乗り越えようと考えて、本格的に筋トレに取り組むようになる。 そんな岡田先生にとって、理想のトレーニーは一体誰なのか。 「それは恩師の石井直方先生です。日本最高峰の『ミスター日本』で優勝したボディビルダーであり、トレーニングを続けながら東京大学で筋トレの科学的な研究を究めた鉄人です。僕も、石井先生のように、研究者としてもトレーニーとしても、トレーニングの素晴らしさをより多くの人に伝えたいと思っています」