「自転車にヒョイとまたがって…“バーイ”」男子バレー新監督ロラン・ティリってどんな人? 親日家の60歳、選手も信頼「ティリさんは引き出しが多い」
日本男子バレーボールの躍進はまだ続く。4年後のロサンゼルス五輪でも、日本はまたメダルにチャレンジできる――。 【秘蔵写真】男子バレー新監督は自転車通勤!? やさしくてお茶目なティリさんの素顔を見る!「ブランの前で子供のように泣く藍&西田」など男子バレー秘蔵写真も 次期監督は、そんな期待を抱かせてくれる指揮官だ。 11月25日、日本バレーボール協会は、男子日本代表の新監督にフランス出身のロラン・ティリ氏が内定したと発表した。今年のパリ五輪まで日本を引き上げてきたフィリップ・ブラン前監督のあとを引き継ぐ。 ティリ氏は2012年にフランス代表監督に就任すると、若手を育て上げてフランスを強豪に押し上げ、2021年の東京五輪で母国に初の金メダルをもたらした。その東京五輪を最後に代表監督を退いたが、彼が礎を築いたフランス代表は、パリ五輪で連覇を達成した。 一方でティリ氏は2020-21シーズンから5季に渡り大阪ブルテオン(昨季までパナソニックパンサーズ)の監督を務めている。 育成ができて、五輪で勝ち切った経験を持ち、しかも日本人選手や日本のバレー、文化を熟知している。ロサンゼルス五輪の予選を兼ねたアジア選手権が2026年に予定されており、2年もないことを考えると、これ以上の適任者はいないように思える。
低迷するフランス代表を再生
現役時代はフランス代表選手として1988年ソウル五輪、92年バルセロナ五輪に出場。引退後指導者となりクラブチームやチェコ代表の監督を務めたのち、2012年にフランス代表監督に就任した。当時フランスは低迷しており、08年北京、12年ロンドンと2大会連続で五輪出場を逃していた。 以前、ティリ氏は当時のフランス代表の様子をこう語っていた。 「選手のモチベーションが低く、いさかいも多かった。バレー協会は財政難で、五輪に出場できずフラストレーションもたまっていた。長期的なプログラムもなかった」 問題が山積する中、ティリ氏はコート内外で改革を行なった。実績や年齢によって大きな差があった代表選手の日当を一律にし、それまでは短かった代表の合宿期間を長期間に延ばした。選手たちには、「日当は十分には払えないけれど、目標を達成するためには合宿が必要なんだ」と事情を伝えた。 反発して去っていく選手もいたが、その時ティリ監督と共に歩むことを選んだ一期生の中に、のちに東京、パリ五輪で連覇を果たすことになるリベロのジェニア・グレベニコフ、セッターのバンジャマン・トニウッティ、ミドルブロッカーのニコラ・ルゴフ、監督の次男ケバン・ティリ、そして五輪で2大会連続のMVPを獲得するイアルバン・ヌガペトがいた。
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