「自転車にヒョイとまたがって…“バーイ”」男子バレー新監督ロラン・ティリってどんな人? 親日家の60歳、選手も信頼「ティリさんは引き出しが多い」
「ラスト10点はカウントダウンだ」
選手がよく口にするのは、「ティリさんは引き出しが多い」ということ。練習方法も技術的な指導も、その選手やチームにあったものを多くの引き出しの中から選択する。メンタル面のアドバイスも的確だという。 昨季まで3シーズン、パナソニックでプレーし、今季イタリア・セリエAのミラノに移籍した大塚達宣はこう語っていた。 「試合での25点の運び方についてもアドバイスをもらいました。ティリさんは『ラストの10点はカウントダウンだ』という話をよくしていました。25点までしっかり取り切れという意味だと思います。だから僕は16点を超えてからのほうがパス(サーブレシーブ)の集中力が上がったような気がします。18点、ハイ取った。19点、ハイ取った。とやっていって、残り3点、2点、1点、というふうに。 24点目だろうが、カウントダウンは残り“1”あるわけだから、その“1”をしっかり取り切らなきゃいけない。“0”になるまでしっかりと。そういうことはよく言われましたね」 そんなメンタリティが日本代表に浸透すれば、パリ五輪で超えられなかった“最後の1点”を、次は超えられるかもしれない。 ティリ氏は「日本代表チームの力、強さ、経験、その価値観や資質を信頼し、私ならではの価値、国際大会やオリンピックでの経験も取り入れていきたいと思います。新たな冒険の始まりが待ち遠しいです」と協会を通じてコメントした。 もちろん結果はまだ見えないが、選手たちが「オレたちはもっと強くなれる」と期待を持って集いたくなる監督であることは間違いないだろう。
(「バレーボールPRESS」米虫紀子 = 文)
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