「クロ現」やらせ疑惑で、NHKが中間報告公表(全文)
3)記者とB氏およびA氏との関係
・記者によれば、B氏とは8、9年前に知り合ったという。B氏が事業に失敗して多額の負債を抱えるようになった後も「事情通」として付き合いを続けていた。 ・記者は、25年10月頃、B氏から「寺関係の事情に詳しい人物」としてA氏を紹介された。 ・その後、記者は、番組の撮影当日までA氏に会っておらず、連絡もとっていない。撮影の打診などのやりとりはすべてB氏を通じて行ったという。
4)検証のポイント
●記者は演技を依頼したか ・撮影当日の4月19日午後、記者はB氏とともにタクシーでA氏を自宅まで迎えに行き、大阪市内のホテルのカフェに立ち寄って15分ほど打ち合わせをした。 ・A氏によれば、この場で記者から、「A氏がブローカー役を、B氏が多重債務者役を演じるよう依頼された」という。 ・一方、記者は、撮影の事前説明として、音声を変えて映像も加工することなどを説明したもので、「演技の依頼はしていない」と一貫して否定している。 ・また、B氏も「記者が演技を依頼したことはない」と話している。 ・A氏の話と、記者及びB氏の話は大きく食い違っている。 ●撮影場所は「活動拠点」であったか ・「クロ現」では、記者がビルの一室を訪れる場面で、「看板の出ていない部屋が活動拠点でした」とコメントしている。(※「熱視線」ではこのコメントはない) ・この部屋についてB氏は、「知人男性が借りている部屋で、鍵は自分が預かっていた」と説明した。知人男性も聞き取りに対し、「(ブローカーの)活動拠点ではない」と明言した。 ・B氏は、「A氏から撮影のOKが出たが、『場所を見つけてくれ』と言われ、自分が場所を決めた。記者はあずかり知らない」と話している。 ・記者は、「そうした経緯は知らなかった。「クロ現」の制作の際、『相談に行った場所は(ブローカーの)拠点でよいか』とB氏に尋ねたところ、『A氏に確認する』とのことだった。その後、B氏から『それでいい』と打ち返しがあったので、番組で『活動拠点』と表現した」としている。 ・相談場所の設定に記者の関与は認められないが、「活動拠点」とコメントしたことは誤りであり、裏付けが不十分であった。