なぜ今年も?自民党旧派閥からの寄付、計1千万円の不記載や誤記載 裏金事件の「激震地」あれだけ問題になったのに…議員側の釈明は
防衛政務官の小林一大参院議員の「自民党新潟県参議院選挙区第1支部」は、宏池政策研究会から受けた寄付金100万円を自民党本部からの交付金と誤記載。小林氏の事務所は「事務的なミスで宏池政策研究会からの寄付金を自民党本部からの交付金として記載してしまった」と説明した。 ▽上脇教授「反省の色が見られない」 自民党の派閥裏金事件では、東京地検特捜部が政治資金規正法違反罪で議員ら複数人を立件し、2024年10月の衆院選での自民大敗につながった。 政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授は「ここまで多くの不記載や誤記載が再びあったことは信じられない。反省の色が見られないと言うほかない」と厳しく指摘。 1円や2円ならば数え間違いもあり得るが、50万円、100万円単位での不記載があれば、口座残高と収支報告書上の繰越金が合わなくなり気付くはずだと説明。「ここまで不記載が相次ぐと、裏口座の存在を疑ってしまう。不記載が発覚すると事務的なミスだと強調するが、個人的には故意ではないかと疑っている」と語った。 ▽報告書の未提出、資料押収も
収支報告書の未提出や資料押収で、寄付金の行方を追えないケースもあった。 有隣会(旧谷垣グループ)はいずれも寄付50万円を、秋本真利元衆院議員=受託収賄罪などで公判中=の「自民党千葉県衆議院第50支部(旧自民党千葉県第9選挙区支部)」、柿沢未途元衆院議員=公職選挙法違反罪で有罪=の資金管理団体「新都市経済研究会」に支出したと収支報告書に記載している。 ただ、第50支部は千葉県選挙管理委員会に収支報告書を提出しておらず、新都市経済研究会は「関係資料が押収されている」として収入を「不明」としたため検証できなかった。 また、清和政策研究会が寄付50万円ずつを支出したとしている、池田佳隆元衆院議員=政治資金規正法違反罪で起訴=の「自民党愛知県第3選挙区支部」と、大野泰正参院議員=同=の資金管理団体「泰士会」も、いずれも「関係資料が押収されている」として収入を「不明」としたため検証できなかった。
この他、唯一存続している麻生派(志公会)からの寄付についても所属議員側に不記載があった。