「今どんな状況でも人生は切り開ける」元ひきこもり少年がたどり着いた一つの答え(ヒデくん第4話)
恩師の息子さんが、かつての自分と同じように引きこもりであったことを知ったヒデくん。 ヒデ君くんは、40代の息子さんと二人で話をしようとします。 【漫画】31歳で高校生に 元ひきこもりの現在は? 漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバーを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。
ヒデくんの場合 第4話
31歳で定時制高校へ入学したヒデくん。高校進学のきっかけとなった恩師の息子さんが、実は引きこもりだと知ります。ヒデくんは、息子さんと2人で話をすることに。そして……
ヒデくんは高校で猛勉強の末、大学へ進学。教員免許を取り、教師になる夢を叶えました。不登校に悩むすべての親子に向けて、「今がどんな状況でも、人生は自分次第で切り開ける」と力強く語ります。
ヒデくんのコメント
定時制高校に入学した頃、アルファベットも書けないほどの学力しかありませんでした。正社員を辞め、早朝バイトしながら生活費と学費を稼ぎ、勉強中心の環境を整えました。毎日14時間以上勉強を続け、目標の大学に合格できました。大学に入り、高校の時と同様に働きながら毎日勉強を継続しました。勉強を始めて8年。教師になる目標を達成しました。現在、次の目標に向けてフリースクール設立と自伝書の準備をしています。
臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
家族よりも他人のほうが話しやすかったり納得しやすかったりということもあると思います。引きこもりやDVなどの家庭のトラブルを、家庭内だけで解決しようとすると難しい場合が多いです。本人ももちろんですが、家族にとっても医療機関や福祉サービスなど第三者と関わる機会を持っておくことは孤立を防ぐうえで重要な視点です。 辛くどん底な状態から「変わる」のはとても大変なことです。変化するのはたとえよい変化でもストレスになって、元に戻ろうとする力が働くものです。変化しようとし続けるのはヒデさんにとってのN山先生だったり先生になるという夢だったり、変わらないでいてくれるものが必要なのだと思います。
おがたちえ(漫画家),橋本紋加(臨床心理士・公認心理師)