大型「すしトラ」全国駆ける…ふるさと納税250万円で九州内なら出張、すでに2件申し込み
豊後水道の海の幸を、すし店に“変身”する大型トレーラーでイベント会場などに持ち込み、すしや海鮮丼を提供するサービスが人気を集めている。トレーラーは大分県佐伯市の運送業「ポートラインサービス」(土井克也社長)が所有する「すし寅(とら)」。佐伯市が先月、ふるさと納税の返礼品に加えたところ、すでに2件の申し込みがあり、活躍の場はさらに広がっていきそうだ。(長野浩一) 【写真】おいしそう!…東京タワーのイベントで握られたすし
東京でも行列
11月30日と12月1日、東京タワー(東京都港区)で行われたイベントに、出張してきたすし寅も参加した。トレーラーの荷台(長さ約10メートル、幅約2・5メートル)を改造しており、長さ約6メートル分のすしカウンターや調理室を備えている。
佐伯市はリアス式海岸沿いで好漁場に恵まれ、水産資源が豊富。すしネタが大きく厚いのも特徴で、すし寅でも大きめのネタを提供している。東京のイベントでは、大分県特産のかぼすブリや、かぼすヒラメ、ウニ、モイカ、車エビなど10種類のネタから選べるすしセットを600~1700円で販売。両日とも300人限定で、行列ができる盛況ぶりだったという。
土井さん(60)は「すし寅を通じて、豊後水道の海の幸を食べてもらい、一人でも多くの大分ファンを増やしたい」と話す。
被災地で活動
すし寅は2010年に製造され、佐伯の海の幸を県内外のイベント会場で販売。すし職人がすしを握り、新規の「魚食」ファン獲得に取り組んできた。各地のイベントから出動要請もあるなど、評判は上々だった。土井さんをはじめ運送業や飲食店主らによる有志メンバーが、各地のイベントに出張してきたほか、東日本大震災の被災地にも出動して活動した。
しかし、コロナ禍で各地のイベントが中止になり、出張する機会がなくなった。それでも土井さんは、「すし寅を生まれ変わらせるチャンス」ととらえ、22年に車体の内外装をリニューアル。黒や赤を基調とした高級感あふれる内装にするなどした。