【DeNA】“東MAX”更新だ 来季200イニング、平均球速147キロ目標 年俸倍増で更改
DeNA東克樹投手(29)が、来季の目標に令和初の200イニング超えを掲げた。2日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億500万円増の年俸2億1000万円でサイン。今季、両リーグ最多の183回を投げ、26年ぶりの日本一に貢献した「ハマのエース」は球界では18年巨人菅野智之以来、球団では06年三浦大輔以来の大台に照準を定め、27年ぶりのリーグ優勝&日本シリーズ2連覇を目指す。 ◇ ◇ ◇ 来季の目標を聞かれ、東は「200イニングです」と具体的な数字を挙げた。先発、リリーフの分業制が進んだ現代プロ野球では到達が難しく、球界では18年巨人菅野、球団では06年三浦以来の記録。令和初となる大台突破を掲げたのは、達成が困難な数字であるとともに、先発投手としてのプライドからだった。 「まず1つは先発の役割として、長いイニングを投げるというこだわり。もう1つは近年、200イニングを投げてる人がいない状況があるので、1つの目標として投げたいなと」 今季は両リーグ最多となる183回を記録し、2年連続で170回を超えた。自身2度目の開幕投手を務め、1年間先発ローテを死守。26試合に登板し、13勝4敗、防御率2・16と抜群の安定感とともに、イニング数が高く評価され、2年連続で「JERAセ・リーグAWARD年間大賞」を受賞した。 今永、バウアーが去る中、エースとしてチームをけん引した。ポストシーズンでは、阪神とのCSファーストステージ初戦で左太もも裏を肉離れ。完治を待たず、2連敗で迎えた日本シリーズ第3戦に先発し、7回1失点で白星を挙げた。自らの快投で日本シリーズの流れを変え、26年ぶりの日本一を達成した。 この日の契約更改では、倍増の2億1000万円でサインした。昨オフ、大台の1億円を超え、2億円も突破。昇給分の使い道については「税金がすごいんで税金が払えるように頑張りたいです」と笑いを誘いながら「来年、しっかりと自分の役割を果たしていきたいです」と力を込めた。 今オフはさらなる高みを求め、平均球速の向上をテーマに設定した。「今年の平均球速が145キロを下回ってたので、最低でも145。146~147くらいいけたらいいのかなと思います」。イニングも、平均球速も、“東MAX”を更新し、チームを頂点へと導く。【久保賢吾】 ◆シーズン200イニング以上投げた投手 最後に達成は18年菅野(巨人)で、DeNAでは横浜時代の06年三浦が最後。現12球団ではソフトバンクと並び、200イニング達成者が最も遠ざかっている。DeNAで200イニング以上投げた投手は21人(59度)いるが、平成以降で達成は05、06年の三浦だけ。達成者が1人しかいないのはDeNAだけと、近年はなかなか大台に乗る投手が出ていない。また、左投手で達成したのは63年鈴木隆が最後。東が来季達成すれば球団左腕では62年ぶりになる。