「VR界のAndroid」を目指すMeta、Horizon OSで実現できるか
次に来るべきもの
とはいえ、VRエクササイズはみんなが使うものじゃないし、NetflixをVRヘッドセットで見たい人も全員じゃないでしょう。Quest 3のデモには新鮮味はなく、どちらかというと、「今も成長、投資を続けてます」というリマインダーのように感じられました。 ただHorizon OSの存在は、Metaから他社へのパートナーシップの呼びかけでもあります。Microsoft(マイクロソフト)とMetaが協力し合っていることは、黒と緑のXboxブランドのQuest 3の存在からもわかっています。 Apple(アップル)はWWDC 2024でVision ProのvisionOS 2を発表しました。が、アナリストのMing Chi Quo氏によれば、Apple Vision Proの需要はリリース当初だけで、その後急速にしぼんでいます。Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、Appleに対する彼らのVR技術の優位性を訴えますが、市場活性化という意味で、MetaにとってはAppleのVRも重要なんです。 モバイルではGoogle(グーグル)のAndroidがAppleのiOSへのアンチテーゼとなり、よりオープンであることをセールスポイントとして成長しました。MetaがVR界のGoogleになるには、Appleという敵が必要なんです。 Appleは箱庭のエコシステムと盤石のファンベースを土台にしてVision Proの普及を図ってるんでしょうけど、それでも次期Vision Proを早くリリースしてもっとテコ入れすべきです。 一方Metaは、Horizon OSをよりよいものにし続ける必要があります。Quest 3からGame PassやSteamVRへのアクセスが可能になった一方で、PlayStation VR2ではPCへのアクセス機能が追加されました。OSがオープンであること、デバイスの選択肢が豊富であることは、短期的には敵に塩を送るように見えても、長期的にはベターなはずです。 VRに多額の資金を注ぎ込み、直近の四半期ではReality Labs関連で38.5億ドル≒6000億円の赤字を出してるMetaですが、長い目で見てがんばってほしいものです。
福田ミホ