辰吉寿以輝が日本5位ランカーに4回TKO勝利で陣営は来年タイトル挑戦言明もカリスマ父は「まだあかん」と待った!
また真っすぐ下がり不用意なパンチを浴びたシーンにも釘を刺した。 「左に回って円形にステップしていくと左ジャブをもらわない。でも、今まで、そういう選手とやっていなかったから(真っすぐに)下がるしかできなかった。教わったはずだが忘れている。真っすぐ下がってしまうと素人と同じ」 実際、1ラウンドのダウンと流血で圧倒的に試合を支配していながら、中村の起死回生を狙った大きな右のパンチを2発ほど被弾するシーンもあった。 だが、それは寿以輝に言わせると、「打たれ強いとこを見せたかった。僕はプラス思考。効いてなかったんで」ということらしい。こんな屁理屈まで親父の血を引いている。 吉井会長が、GOサインを出し、父に待ったをかけられたタイトル挑戦。丈一郎が指摘したポイントは、まさに寿以輝の課題。だが、決して辰吉二世という話題先行ではなく、タイトルに挑戦する資格と実力は作りあげたと言っていい。 寿以輝は「タイトル挑戦はGOサインが出れば。決まってもいないのに、あれこれ言うのは、相手に対して失礼」と言う。 ――今日の試合でGOサインが出たときの準備はできたか? 筆者がそう聞くとニヤっと笑った。 「まだまだ。“もうそろそろええやろう“と周りが言うようになったら。今日の(試合内容)なら”ええんちゃうか”くらい。まだ弱い」 発言もなんとなく父に似てきた。3歳上の兄、寿希也さんが年明けの3日に幼馴染と結婚することも決まり、この勝利は、絶好のお祝いにもなったようである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)