辰吉寿以輝が日本5位ランカーに4回TKO勝利で陣営は来年タイトル挑戦言明もカリスマ父は「まだあかん」と待った!
ランキングを奪いにいったチャレンジマッチを文句なしの最高の結果で終えた。大阪帝拳の吉井会長は来年のタイトル挑戦を言明した。 「80点はあげていい。ガードもできていたし細かいパンチが良かったね。ダメなのは力んだ点。倒した後にもっと上下を打ち分けるなどの意識は必要だし、体が自然に動くことを最終的に求めている。贅沢を言えば、遠目からの右ストレートに返しも欲しかったが」と合格点を与え、タイトル戦にGOサインを出した。 「勢いに乗っているときにね。条件とタイミングさえ合えば、次戦にでも日本タイトルにこだわらず、東洋、WBO、シルバーなどに挑戦させたい」 日本スーパーバンタム級王者の久我勇作(ワタナベ)は、大晦日にWBOアジアパシフィックの同級王座決定戦を戦う予定で、来年にはチャンピオンカーニバルで古橋岳也(川崎新田)との日本タイトル防衛戦も予定されている。OPBF東洋太平洋同級王者の勅使河原弘晶(輪島スポーツ)は、先日、防衛戦を終えたばかり。辰吉陣営では、日本、東洋などの交渉がうまくいかない場合は、WBCシルバーなどのJBC非公認の地域タイトルも視野に入れている。 だが、父の丈一郎は控室に次男の祝福に訪れると「どんくさいなあ。左が少ない」と、いつもの小言から第一声。「(左手が)痛いねん」と、寿以輝はやり返したが、タイトル挑戦については、辰吉節が炸裂して“待った”をかけた。 「まだあかん。武器がないもん。これといった勝ちパターンがない。武器があっても試合で使えるようにならないと武器とは言えん。それを出せるようになるまでタイトル挑戦はまだ早い」 父のカリスマがタイトル挑戦に待ったをかけた寿以輝の課題は2点。コンビネーションブローがまだ完成していない部分とステップワークだ。 「戦い慣れはした。でも上達とは違う。左フックもワンパンチやからね。相手が出てきたのは、寿以輝の打撃に慣れたからやねん。パワーが足りないし、コンビネーションがないから舐められて向かってきた。ボクサーというもの、やばいと思ったら下がる。ダウンをして、これ以上危ないと思ったら下がる。それでも出てきたのは、裏を返すとパンチが効かん。怖くないから。だからコンビネーションがいるんよ」 左の拳を痛めていたことを理解した上で「左が痛いなら痛いでやりようがある。見せるパンチで攻撃できないようにさせるパターン、それを生かす右もある」という。