沖縄米兵の「性暴力」、相次ぎ発覚ナゼ? 知事に報告ナシ…専門家「隠ぺい」 県警は「プライバシー保護」【#みんなのギモン】
■事件の情報が知事に知らされない問題も
小野解説委員 「そして去年から今年にかけても起きています。去年2月には強制性交事件(不起訴)、去年8月には不同意性交事件(不起訴)、そして12日に初公判となった去年12月の事件がありました」 「今年5月下旬には、海兵隊員の20代の男が性的暴行をしようとして女性にけがをさせて逮捕され、その後、不同意性交致傷の罪で起訴されました」 「こうした事件が相次いでいること自体が問題ですが、今問題視されているのは、事件が起きたという情報が県知事に知らされていない、つまり県民に知らされていないということです」 「去年12月の事件を沖縄県が把握したのは、発生から半年経った6月25日でした。これが発覚したため、その後他の4つの事件も7月3日までに次々と明らかになったという経緯があります」 森圭介アナウンサー 「性暴力自体、国籍は関係ない話ですが、沖縄と基地の関係を考えると本当に重大な事案じゃないですか。これが報告されなかったということは理解に苦しみますよね」
■在日米軍の事故・事件発生時の通報経路
小野解説委員 「本来どうあるべきか。1997年に日米両政府は、公共の安全に影響を及ぼす可能性のある事件が起きた際には、アメリカ側が日本政府や自治体に情報を共有すると取り決められました」 「情報共有のルートは、まずアメリカ軍から日本にあるアメリカ大使館へ、そこから日本の外務省へ、防衛省から沖縄防衛局へ、そして沖縄県・市町村へ知らされるというものです」 「ルートはもう1つあります。アメリカ側が直接、沖縄防衛局に伝え、そこから沖縄県に伝えられるというものです。ところが12月の事件については、アメリカ軍と沖縄防衛局では情報共有されていません」 「さらに沖縄県警は、事件を把握していたのに被害者のプライバシー保護のために、県には情報を共有しなかったといいます」 忽滑谷こころアナウンサー 「逮捕もされていて情報共有がされていないというのはびっくりです。この時の外務省の対応はどういうものだったのでしょうか?」 小野解説委員 「外務省の方から県に情報共有されることはありませんでした。外務省はそれには理由があるとしています」 「『捜査当局は関係者の名誉や公判への影響などを踏まえて公表するかどうか判断している。外務省としても、捜査当局の判断を踏まえて対応を行ってきた』と説明しています」