「トランプ就任式前に大学に戻って!」アメリカの各大学が留学生に異例の呼びかけ
アメリカの有名大学が戦々恐々としている。 多くの有名大学が冬休み中の留学生たちに対して、トランプ次期大統領の1月20日の就任式を前に、早めにアメリカに戻ってくるように通達を出している。 【画像】トランプ次期大統領就任までに帰国するよう勧めるアメリカの大学ウェブサイト それは、トランプ氏が第1次政権時、大統領就任からわずか数日後に、イスラム教徒が多数を占める国々からの入国を制限したことを念頭にしたものだ。 例えば数多くのノーベル賞受賞者を輩出しているコーネル大学。 冬休みに海外旅行を予定している学生や帰省中の留学生に対し、「新学期が始まる1月21日前には帰国していることを勧める」とアドバイスをしている。 その理由として、「渡航制限はトランプ氏の就任直後に発効する可能性が高い」と明記している。 トランプ氏が第1次トランプ政権で対象にした、キルギスタン、ナイジェリア、ミャンマー、スーダン、タンザニア、イラン、リビア、北朝鮮、シリア、ベネズエラ、イエメン、ソマリアに加え、「今回は、中国とインドという新しい国が追加される可能性もある」と指摘して、注意を促している。 一方、南カリフォルニア大学(USC)。 在学生の約4分の1にあたる1万7000人がアメリカ国外からの留学生だ。 そのUSCは学生たちに、トランプ大統領の就任式の1週間前にはアメリカに戻るよう促している。 大学の事務局は、「渡航禁止令が出されるかどうかは定かではないが、問題を回避する最も安全な方法は、2025年1月13日の新学期が始まる前に物理的にアメリカにいることだ」と通知している。 そのほか、ブラウン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、イェール大学など、10校以上の大学が相次いで同様の声明を出して注意を呼びかけている。 選挙戦中から不法移民の阻止を強く訴えてきたトランプ次期大統領。 一方で、アメリカの大学を卒業した外国人には「永住権を与える」とも公言している。 移民政策の詳細はまだ明確ではないが、アメリカの大学に籍を置く外国人留学生にとっては、希望と不安が入り乱れる日々がしばらく続きそうだ。 (FNNニューヨーク支局 村上真理子)
村上真理子