韓国コスメ、広島を席巻中 お手頃価格にかわいいパッケージ インフルエンサーも後押し
広島市内の化粧品店や生活雑貨店で、韓国コスメの取り扱いが増えている。色持ちの良さや便利さ、買い求めやすい価格がメークを楽しむ人の心をつかんでいる。インフルエンサーによる情報発信も追い風になっている。 【写真】豊富な色のリップをそろえるローズマリー広島パルコ店 生活雑貨の広島ロフト(広島市中区)は韓国ブランドのファンデーションやリップなど約5千点をそろえる。人気はリップとチークに兼用できるポット型のミニコスメ。ポーチがかさばらず、30種類から自分に合った色を選べる。価格は2千円ほどだ。 西区の大学生森下千乃さん(20)は「韓国コスメは仕上がりが自然で使いやすい。価格が手頃なのも魅力」と選んでいた。旧そごう広島店新館からアクア広島センター街へ昨年10月に移転後、韓国コスメの売り上げは月平均で約4割増えた。11月15日まで最新の商品を集めたイベントを開いている。 5年前より売り場を10倍に広げたのはローズマリー広島パルコ店(中区)。マスクを着けた時や飲食後も色が落ちにくいリップ、気分や服に合わせて色を選べるアイシャドーのパレットが売れ筋だ。交流サイト(SNS)で話題になっているのが分かるようにポップを出す。 根来実花(みるか)店長は「韓国コスメの売り場は20代を中心に来店客であふれるほど。パッケージのかわいさも手に取る要因になっている」と話す。 市場調査会社のインテージ(東京)によると、2023年に国内で女性が購入した韓国コスメは313億円。新型コロナウイルス禍前の19年の51億円から約6倍に増えた。石井陽菜アナリストは「色落ちしにくく、肌荒れを防ぐなどの特長があり、コスパも良い。SNSでインフルエンサーが商品を詳しく説明し、認知度が広がっている」と分析。韓国ドラマの流行も後押ししたとみる。 ハンズ広島店(中区)はスキンケア商品を充実させている。韓国ブランドの取り扱いを昨年の4・3倍の約40種類に増やした。自然由来の成分や、さらさら感が若者の支持を集める。韓国ブランドが人気アイドルをCMに起用し、ファンの購入も伸びているという。 化粧品担当の松井彩香さんは「若い世代の肌の手入れへの意識が高まっている。SNSを見て、買う商品を決めてから来店する人が多い」と説明する。
中国新聞社