EURO圧勝スタートのドイツ、低迷期からなぜ脱出できた? 主将ギュンドアンが支える歯車の機能【コラム】
EURO初戦でスコットランドに5-1で快勝
EURO(欧州選手権)2024が現地時間6月14日にいよいよ開幕した。ミュンヘンで行われた開幕戦では開催国のドイツ代表がスコットランド代表を5-1で下し、これ以上ない好スタートを切っている。 【動画】「史上最悪のタックル」 ギュンドアンの足首に…“スパイク裏食い込む”戦慄場面 国際主要大会でドイツ代表が開幕戦で勝利したのは実に16年のEURO以来。18年のロシア・ワールドカップ(W杯)はメキシコに、22年カタールW杯では日本にそれぞれ1-2で、21年EUROはフランスに0-1で敗れている。初戦ですべてが決まるわけではないが、出鼻をくじかれたあとに流れを取り戻すことができないまま、18年と22年はグループリーグで、21年は決勝トーナメント1回戦で大会から別れを告げることになった。逆に初戦でウクライナに2-0と快勝した16年は準決勝まで進出している。 トニ・クロースが「初戦で勢いをつけることが大事」と代表復帰以来何度も強調していたが、近年主要大会で低迷しているだけに、どこかで弾みをつけるきっかけが必要だったことは間違いない。 ユリアン・ナーゲルスマン監督は今年3月の代表戦から選手それぞれが担うべきタスクをこれまで以上に明確なものにし、チームとしての基盤を固め、そこに選手の資質を引き出しやすい関係性を植え付けようとしている。スコットランド戦ではそれらがすべてポジティブに作用し、チームとしても個々の選手としても納得のいくパフォーマンスを出すことができた。 ジャマル・ムシアラとフロリアン・ビルツという世紀の逸材2人が躍動し、それぞれセンセーショナルなゴールを決めた。カイ・ハフェルツが前線で重要な起点となり、ムシアラのゴールをアシストし、PKからゴールをマーク。途中出場のニクラス・フュルクルクはピッチに立ってからのファーストプレーで豪快かつエレガントなシュートをゴールに突き刺した。クロースのタスクワークは優雅で鋭敏。攻守のバランスが崩れることもほとんどなく、アントニオ・リュディガーのオウンゴールのシーン以外、スコットランドにほとんどチャンスらしいチャンスを作らせなかった。 そんな噛み合いつつあるドイツの中で、重要な役割を担っているのがキャプテンのイルカイ・ギュンドアンだろう。