「ノルマ超過分を裏金にしていた」と元議員が吐露 新たに特捜部が追う「自民党東京都連の闇」
裏金作りの手口は
「君子豹変す」とは元来「優れた人間は過ちを直ちに改める」という肯定的な意味合いで使われていたが、昨今は「主義主張を捨てる」と悪く取られる向きがある。石破茂首相(67)の豹変ぶりはまさに後者。その背景には、最強の捜査機関の影がちらつくというのだ。【前後編の後編】 【写真を見る】非公認となった「裏金議員」の面々 ***
前編【自民党に新たな裏金疑惑! 「本丸は萩生田氏」 特捜部が水面下で自民党東京都連を捜査】では、水面下で進む捜査の舞台裏について報じた。 では実際、自民党東京都連では派閥同様、裏金づくりが行われていたのか。派閥での基本的な仕組みは、「パーティー券販売のノルマ超過分についてキックバックするというもの」(政治部デスク)だ。かつて都連に所属した国会議員が言う。 「都連所属の国会議員には、政治資金パーティーが開かれる際にノルマが課せられていました。1枚2万円で、国会議員は一律100枚。つまり200万円のノルマです。集めたお金は都連に持って行くか、口座に振り込むのですが、皆、購入者名簿などの詳しい情報は、支払いと同時には都連から聞かれていませんでした」 ならば、派閥同様にノルマ超過分をキックバックする慣習もあったのか。 「自分を含めて、私の周りではノルマを超えて売ったという議員を聞いたことはありません。むしろ、区議や都議も一緒に同じ地域でチケットを売っているので、ノルマを達成するのに皆さん苦労していました」 キックバックしようにも、ノルマの達成自体が困難だったというのだ。
超過分をそのまま裏金に
しかし、別の都連所属の元国会議員が声を潜めて言うには、 「私の場合、100枚のパー券を都連から渡されたとすると、“50枚売ってください”と言われるわけです。それでノルマの50枚を超えて売った分に関しては、都連に納めないという形でお金をプールしていました」 つまり、キックバックなどまどろっこしい手口は使わず、超過分をそのまま裏金にしていたというのだ。 「秘書給与などの事務所費や各種団体との付き合い、後援会活動などにもお金はかかる。そうした場合にプールしておいた資金で補填するわけです。別に私腹を肥やしていたわけではなく、あくまで政治活動に使っていました」(同)