世界で繰り広げられるロケ地の争奪戦、多くの国が誘致で資金援助、米国の人気ドラマ誘致に成功したタイは観光客増に期待
それでも、フィルムツーリズムの経済効果は絶大
それでも、映画やドラマのロケ地に選ばれることは、観光客誘致で大きな力を持っている。世界的な高級旅行会社ネットワーク「Virtuoso(ヴァーチュオソ)」のグローバルPR担当副社長ミスティ・ベルズ氏は、「エミリー、パリへ行く」ではフランスへの観光客を、「ブリジャートン家の人々」では英国への観光客を増加させたと明かす。 富裕層向けツアーオペレーターのブラック・トマト社によると、マウイ島が舞台となった「ホワイト・ロータス」シーズン1の公開後、米国人のハワイへの旅行予約は25%増加。シチリア島タオルミーナを舞台にしたシーズン2の公開後は、コロナからのリベンジ旅行の影響もあるが、シチリア島への予約が3倍に増えたという。 ベルズ氏によると、シーズン3の公開を控え、バンコクやプーケットなどを含めロケ地への予約がすでに増加しているという。 ロケ地のひとつ、サムイ島の観光協会会長のラチャポン・プールサワディー氏は、バンコク・エアウェイズが同島への1日当たりの便数を50便から73便に増やす計画だと明かした。観光産業は、同島の経済の90%以上を占めていることから、地元当局は空港、フェリー輸送、水道、電力網、道路の拡張について政府の承認を求めているという。 タイでは、「ホワイト・ロータス」による観光ブームは、ロケ地だけでなく、チェンマイなどを含めて全国に経済的利益をもたらすと期待されている。 ※ドル円換算は1ドル150円でトラベルボイス編集部が算出 ※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。
トラベルボイス編集部