「証拠ないだろ」「病院行ったら?」5歳で12歳男子から性加害を受けた「男子大学生」に、加害者の父親が放った「衝撃の言葉」
被害を克明に語らなければ、とりあってくれない
自らに降り掛かった性暴力の体験をSNSで告白することを決めた岡田さんには、心に決めたことがある。 「体験をきちんと詳しく語ることです。単に『性的ないたずらをされた』と話しても、とりあってくれない場合が多いことを知りました。特に男性が被害者となる場合はあまり想定されていないのか、大したことではないと処理されてしまう傾向があると思います。正直、何度体験を語っても身体が震えるような怖さは消えないのですが、それをしっかり伝えることで初めて重大なこととして認識してもらえるのだと思っています。ですから、可能なかぎり正確に伝えたいと思っています。 加害者家族が言うように、昔の出来事なので証拠はないのかもしれません。けれども証拠がないことをもって、事実もないことにはならないと思います。金銭を要求したいわけではなく、真摯な謝罪をこれからも求めたいと私は考えています」 想像を絶する凌辱を受け、常に生活圏内に加害者がいる恐怖と孤軍奮闘し続けた岡田さんの主張には、深く頷かせる独特の熱気がある。だが一方で、死ぬ思いで生き抜いた性暴力サバイバーがここまでの自己開示を求められる社会とは、何なのだろうか。大きな傷を負った人間が社会の「普通」という規格に合わせて生きるのは難しい。語るまでを生きられず、風化させられてきた性被害体験が無数にあったとすれば、この優しくない社会で私たちはどう振る舞えばいいか。岡田さんの勇気はその糸口となるのかもしれない。
黒島 暁生(ライター・エッセイスト)
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