気温がアップダウン…不調の原因は「寒暖差」かも!? 気象予報士が解説 おすすめ“耳マッサージ”も
寒暖差の多い時季。急激な気温の変化により、身体の不調を感じる人も多いのではないでしょうか? これは「寒暖差疲労」と呼ばれ、“気象病”のひとつなんです。発症条件や対処法などについて、詳しくご紹介します。 【関連】「秋冬も、水をたくさん飲むと美容や健康にいい」って本当? 医師に聞いた1日の適量や効果的な飲み方 頭痛や肩こり、倦怠感、めまい、吐き気、腹痛や下痢、喘息、そして気持ちが落ち込む、イライラする、不眠など、寒暖差疲労にはさまざまな症状があります。 ◆寒暖差疲労を感じやすい日とは? 1日のなかで朝晩と日中の気温差が7度以上ある場合や、前日の気温が13度で当日の気温が20度など、前日との気温差が7度以上の場合などに生じやすいといわれています。 ◆特に、季節の変わり目は要注意! 症状の原因はズバリ、体温調整にも関係する“自律神経バランスの乱れ”にあります。今夏の記録的な猛暑による、自律神経が“お疲れ状態”なのです。そのうえ、秋になっても高温傾向が続いたため、体は寒さに慣れていません。 ここ最近は、一時的に寒気が流れ込んだことで初冬の寒さになったかと思えば、気温が上がり暖かい日がくるなど、日々の気温変化も大きかったですよね。そのため、普段は体調を崩さない人でも気がつかないうちに症状が現れるかもしれません。 ◆対策のポイントは、寒冷順化! 暑さに体を慣らすことを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいますが、反対に寒さに体を慣らすことを「寒冷順化(かんれいじゅんか)」といいます。寒くても、適度に外出して寒さに体を慣らすことが大切。ポイントは、首・手首・足首の3つの首を温めて冷やさないようにすることです。 “入浴”も大切です。39度以下のぬるめのお湯に浸かることにより副交感神経が優位となり、リラックス効果が高まります。入浴剤を使うことで香りや成分が加わり、よりいっそう効果が高まります。15分ほどを目安に、肩までしっかり浸かるようにしましょう。 入浴後、寒い日にはカイロや湯たんぽなどを使って冷え対策もしてください。 ◆自律神経を整えるために 近年注目を集めている、“腸活”がおすすめです。腸と脳は密接に関係しているため、ヨーグルトなどを積極的に摂取して腸内環境を整えることで、不調が改善するとされています。 いますぐ手軽にできる、「耳マッサージ」もおすすめです。やり方はとっても簡単。耳の皮膚は意外と冷えているため、手で覆って温めてみてください。そして、5秒ほど引っ張ったり離したり、心地よいと感じる強さで繰り返すことで緊張をほぐしてリラックスすることができます。これだけでも、なんだかポカポカしてきませんか? ◆寒暖差による楽しみも! 寒暖差は、人間の身体に負担をかけるだけではありません。植物にとって寒暖差はとても重要で、葉がきれいに色づくために必要なのです。最低気温が8度を下回ると、紅葉がグッと進みます。11月後半から木々の色づきも一気に進み、各地で見ごろを迎えています。服装選びや体調管理に気をつけながら、紅葉狩りなどの行楽を楽しみましょう。 取材・文=林保捺美(気象予報士・薬剤師/南気象予報士事務所)
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