「托鉢僧」は今も存在する? 寄付を求める行為は「合法」なのでしょうか?
今も、街中や駅前などでしばしば「托鉢僧」を見かけます。見慣れない光景に目を奪われた方もいるでしょうが、お金や食べ物を受け取ることは修行の一環であり、托鉢僧の特徴のひとつです。寄付に近い行為ですが、托鉢行為が合法かどうか気になる方もいるはずです。 そこで、本記事では托鉢僧の基本的な紹介をしつつ、托鉢行為について解説していきましょう。どこか遠い存在に思える托鉢僧ですが、この記事を読むことで托鉢僧との心理的な距離感が縮まるはずです。
托鉢僧とは?
托鉢とは僧侶が街中などを歩き、お布施としてお金や食べ物を受け取ることを指します。なお、托鉢僧とは托鉢を行う僧侶のことです。托鉢僧は長い行列をなしていることがありますが、1人で托鉢をしている托鉢僧も少なくありません。 托鉢は仏教などの出家者の修行のひとつであり、仏教伝来と共に中国から伝わりました。寄付や募金活動ではない点が托鉢の大きな特徴であるため、托鉢僧がお布施を要求したり、お布施に対する感謝を伝えたりすることは基本的にありません。 元来、托鉢とは衣食住への執着を捨てるための修行です。貯蓄をせず、その日に必要な分だけを托鉢で得ていました。 托鉢は托鉢僧のためだけの修行と思われがちですが、お布施をする一般人に対する修行でもあります。お布施をすることはお金や食べ物などへの執着を捨てる行為だからです。一般人にとっては修行であると同時に、見返りを求めずによい行いを積み重ねることにもつながります。いわゆる、功徳を積む行為です。
托鉢僧は今の日本にも存在する?
数は少なくなっているものの、今の日本にも托鉢僧は存在します。托鉢僧と出会う確率は地域によって大きく異なり、東京や大阪などの都心部では特に少ないでしょう。寺院が多い京都や奈良では比較的出会えることが多いため、地元民にとっては見慣れた光景でもあります。 托鉢は街中などを練り歩いて行う場合がほとんどですが、駅前で立ち止まって行う場合もあります。駅前で活動する場合は周囲への迷惑も考慮して、1人など少人数であることがほとんどです。宗派や寺院によっては、定期的に修行として托鉢を行っているようです。