【湘南】1G1Aの畑大雅、飛躍のきっかけは鈴木雄斗の助言「結果と気持ちがリンクした」
<明治安田J1:東京0-2湘南>◇第35節◇3日◇味スタ 湘南ベルマーレがFC東京に2-0で完勝し、今季初の4連勝を飾った。12位に浮上。残り3試合で、消化試合が1試合少ない18位ジュビロ磐田に勝ち点差9を付け、J1残留に大きく前進した。 3試合ぶりの先発となったDF畑大雅(22)が1得点1アシストの大活躍をみせた。 前半43分に左サイドを駆け上がってFW鈴木章斗(21)の先制点をお膳立てすると、後半4分には左サイドからペナルティーエリア内に進入し、中に切り込んでゴール。ストライカーのような動きで貴重な追加点を奪った。 「出すところがないと思って、シュート打というと切り替えてから、中のスペースが空いたので、そこに行っちゃえという感じで行って、流れでシュートまでいった感じです」 NFLのバイキングスに所属するWRジャスティン・ジェファーソンをまねた「グリディ」というゴールパフォーマンスを披露した。 好調の要因は「落ち着き」にあった。身体能力に自信があり、今まではスピードでガンガン仕掛けていた。しかし、スピードを落として周りを見ることで、視野も広がり、選択肢も増えるようになった。ゴール前に迫る回数も昨年より増えている実感があるという。昨季まで無得点も、今季は一気に4得点。キャリアハイを更新し続けている。 シーズン終盤に存在感を増している。前節は首位だったサンフレッチェ広島戦で、後半追加タイムに劇的逆転弾をアシスト。この日も全得点に絡んでチームの4連勝に大きく貢献した。「結果を出せるようになってきたというのはすごくうれしいですし、もっと伸ばせるように頑張りたい」。 飛躍のきっかけは先輩からの助言だった。4月24日のルヴァン杯1stラウンド2回戦でJ2ブラウブリッツ秋田に敗戦。選手だけでミーティングを行った。思っていることを言い合う中で、ある選手から「スタッフの目が気になって思うようなプレーを出せない」という声が上がったという。畑も少なからず同じ考えを抱いていたところ、今季から加入したMF鈴木雄斗(30)が「それはプロとしてあり得ない。誰のためのサッカーをやっているのか」と責任感の重要性を訴えた。 畑にはその言葉が響いた。「もっと自信をもってやらないといけない」。ポジティブな考えが、前向きな選択肢を生む。直後の北海道コンサドーレ札幌戦で初ゴールを奪い、「ターニングポイントになった。結果と気持ちがリンクした」と手応えを得た。 以降、負傷もありながら、出場すれば好パフォーマンスを発揮。自信に満ちあふれたプレーでサイドを制圧している。入団5年目。初の1桁順位も見えてきた。「順位を上げていけるように残りの3試合、やるべきことをしっかりやって変わらずプレーしたい」。畑の進化がチームに活力を与える。【佐藤成】