【毎日書評】業績の悪い会社は会議が長くて多い…その理由は明確だった!
「社員に、もうちょっとやる気を見せてほしい」とか、「部下のモチベーションを上げるにはどうしたらいいんだろう」「なかなか人が定着しなくて困っている」など。こういった悩みを抱えている企業は決して少なくないはず。 しかし、そのような悩みは、きょうご紹介する『こうして社員は、やる気を取り戻す』(三谷文夫 著、ぱる出版)で解決できると著者は断言しています。経営者や労務担当者などから労務相談を受けているという社会保険労務士。 「やる気」や「モチベーション」についての問題を解決する方法は、労働基準法を見れば解決できるというわけではないでしょう。そこで著者は、産業カウンセラーとしての心理面からのアプローチを試みているのだとか。 そうした実績に基づく本書の特徴は、1テーマにつき「事例」「マイナス→ゼロ」「ゼロ→プラス」という3部構成になっている点。アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグの「動機づけ理論」からヒントを得たもので、その理論の内容は次のとおりだそうです。 ① 人間が仕事に満足や不満を感じる要因には、「衛生要因」と「動機づけ要因」とがある。 ② 衛生要因は、仕事における不満要素。例えば、給料、労働条件、福利厚生、人間関係など。この不満を解消しても仕事の満足感に繋がるわけではない。 ③ 動機づけ要因は、仕事における前向きな満足を与える要素。達成、承認、成長など。 ④ 衛生要因と動機づけ要因のどちらもバランスよく充実させることが必要。 (「はじめに」より) また、本書でいう「マイナス→ゼロ」とは、衛生要因の解消の話。労務コンプライアンス、安心安全、働きやすい職場づくりの観点から、社会保険労務士目線で対応策が解説されているわけです。 そして「ゼロ→プラス」は仕事への満足感や働きがいの維持向上につながる施策。こちらについては、おもに心理的側面に焦点が当てられています。 当然ながら、どちらか一方に偏るのではなく、両者についてバランスよく取り組むことが大切であるわけです。 きょうは第2章「社員がやる気を失う職場とその対処法」のなかから、会議に焦点を当てた「無駄な会議が多い~生産性を上げるための改善事項N0.1~」に注目してみたいと思います。